ロシアのウクライナ侵攻を受け、ヨーロッパで見直し論議が相次ぐ「徴兵制」…日本でも復活はあるか?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

防衛省の防衛白書(平成28年版)には以下のように明記されています。

「わが国において徴兵制を採用することは、兵役といわれる役務の提供を義務として課されるという点にその本質があり、平時であると有事であるとを問わず、憲法第13条、第18条などの規定の趣旨からみて、許容されるものではないと考えます。

このような憲法解釈を変更する余地は全くなく、いかなる安全保障環境の変化があろうとも、今後とも徴兵制が合憲になる余地はありません」

また、現代の戦争では、高度な訓練を受けた専門的な軍人が必要であり、短期間の訓練で戦場に送られる徴兵された兵士の有効性は低いとも言われています。

自衛隊は志願制であり、自ら希望した人だけが入隊します。現在、自衛隊の定員は約24万7000人ですが、実際の隊員数は約22万人で、常に人員不足の状態です。それでも、徴兵制を導入する議論は政府内では行われていません。

ヨーロッパ諸国で盛んになる「徴兵制」の議論

しかし、ヨーロッパで起きている徴兵制復活の動きも気になるところです。

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、複数の国が徴兵制の復活や強化を進めています。スウェーデンは2010年に徴兵制を廃止しましたが、2017年に復活させました。男女ともに対象です。

ノルウェー、デンマーク、フィンランドなども徴兵制を維持しています。特にフィンランドは、ロシアと1300キロメートルにわたる国境を接しているため、徴兵制を国防の要としています。

ドイツでも動きがありました。2011年に徴兵制を停止しましたが、ロシアのウクライナ侵攻後の2024年以降、政府が新たな兵役モデルの導入を進めてきました。

これは18歳の男女全員にアンケートを実施し(男性は回答義務あり、女性は任意)、軍への適性がある者に兵役を義務付ける選抜的な制度です。

ピストリウス国防相は、「志願制だけでは必要な兵力を確保できない」と述べています。

次ページドイツ連邦議会が可決した「兵役法案」
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事