「中国人観光客がいなくても困らない」との声もあるが…。インバウンド消費だけではない、「中国人観光客の減少」で"本当に懸念すべきこと"
ただし、中国人の本音は決して一枚岩ではない。
「政府の方針には従わざるを得ない」「この時期の訪日は控えるべきだ」という声もある一方で、若年層や個人旅行者の間では「政治と旅行は別物」という冷めた感覚も広がっている。
「心の距離もどんどん離れてしまう」
今年の春節にも日本を訪れた南京市のZさん(30代男性)はこう話す。
「政治情勢は旅行計画に影響しない。正直なところ、日中がこのままずっと対立し続けるのは望んでいない。そんな状況になっても、両国の人たちにとって何の得もないし、心の距離もどんどん離れてしまうと思う」
「残念だが、今の雰囲気だと日本旅行の写真をSNSにアップするのも、ちょっと気を遣ってしまう。今のところは、上のほうの政治的な判断が、もう簡単には引き返せないところまで来ているように感じる」
香港のあるテレビ局キャスター、L氏(70代男性)の取材を通じた見解は、今年の中国人観光客の動向について極めて厳しいものだった。
「もはやこれは、単なる渡航自粛や観光需要の問題ではない」とL氏は断じる。
「中国の王毅外相がミュンヘンで見せた強硬な姿勢は、日本への明確な『警告』だ。特に台湾有事をめぐる高市首相の発言が撤回されない限り、日中関係はかつてない深刻な対立へと突き進む。北京はその最悪のシナリオに対し、すでに着々と準備を進めているようにも見える」
「背後には、当然ながらアメリカの影もちらつく。アメリカが日本を対中包囲網の最前線へと押し出している構図が、この摩擦をより複雑に、そして根深いものにしている」
こうした政治の季節が続く限り、インバウンドの回復には暗雲が垂れ込める。
今年の桜の季節や5月の連休・10月の国慶節においても、中国政府は春節と同様に「渡航自粛」を強く呼びかける可能性が高い。





















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