「中国人観光客がいなくても困らない」との声もあるが…。インバウンド消費だけではない、「中国人観光客の減少」で"本当に懸念すべきこと"
中国は長年にわたり、規模と消費額の両面で日本のインバウンド市場で大きな存在感を放っていた。
ただ、ネット上では「中国人観光客が来なくても困らない。むしろオーバーツーリズムが解消される」との声もよく見られる。
インバウンド消費だけではない“懸念”
人気観光地の京都では、事業者によって明暗が分かれているようだ。
京都商工会議所が2月24日に開いた記者会見の発言要旨によると、中国政府による渡航自粛の要請後、中国人利用客が「減少した」と回答した事業者は6割を超えた。
サービス利用や予約への影響では、「影響なし」が4割、「プラスの影響」が1割だった。一方、約半数の事業者が「マイナスの影響」があると回答していた。
春節期間における影響の見通しでは、「ほとんど影響がない」と回答した事業者は6割を超えていた。ただ、「中国市場への依存度の高かった事業者からは、春の観光シーズンに向けて回復を望む切実な声もあった」という。
訪日観光客数の落ち込みは、日本経済に影を落とす懸念もある。影響は百貨店やドラッグストア、宿泊、飲食、さらには地方の交通インフラにまで及ぶだろう。観光は単なる往来ではなく、経済を支える血流でもある。
日本全体として必要なのは、特定の国からの観光客に依存しない“多角化”を進め、新たな訪日需要を開拓する努力だろう。
一方で、筆者が懸念しているのは、観光が民間同士の“相互理解”を育む貴重な機会でもあることだ。前述のように、中国人の中には、日本のアニメや伝統文化を愛する人たちもいる。
実際に日本を訪れた中国人の中には、自らの目で社会や人々の姿に触れることで、日本に対する印象を改め、「本当の日本」を知るようになった人もいる。日本旅行をきっかけに、将来は日本へ留学したいと決意する若者もいる。
観光は単なる消費活動ではなく、感情や価値観が交差する「出会いの場」でもある。メディア報道やネット上の言説だけでは見えない現実を、直接体験して理解することには大きな意味がある。
政治関係が揺らぐ時期だからこそ、民間の交流をどう維持するかが問われている。観光の持つ静かな力を軽視すべきではないだろう。
そうした意味において、隣国からの旅人が途絶える状況は、長い目で見ると得策とは言えない。日中の間で草の根の交流が失われないことを願わずにはいられない。
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