エレコムが先陣を切る半固体電池モバイルバッテリー、発火リスク低減と寿命4倍の実力に迫る

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内部保護機能や買い替え時期の目安の通知も行う(エレコム資料)

業界に先駆け積極的に新素材を採用

半固体電池採用のモバイルバッテリーの市場参入がやや遅れたエレコムだが、安全な製品化に向けた取り組み自体は早くから進めてきた。22年にはリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池採用製品を市場に投入している。LFP電池は一般的には電気自動車向けなど大型用途で知られているが、モバイルバッテリーという小型製品への採用を早い段階から進めたメーカーの一社がエレコムだ。

また25年には、ナトリウムイオン電池を採用したモバイルバッテリーを発売した。ナトリウムイオン電池は電極材料や反応メカニズムの違いから、リチウムイオン電池に比べて安全性が高いとされる。電極が熱分解しにくいため、発火を拡大させる酸素を放出しにくく、電極自体の化学変化も起きにくい。電極・電解質系全体の反応性を抑えた設計になっていることで、過充電・過放電時のガス発生や発火リスクが低く抑えられている。

これらの製品は、既存のリチウムイオン電池に代わる次世代電池として注目を集めている。ただし安全性が高い一方で、デメリットもある。最大の課題はエネルギー密度の低さで、同じ容量を確保しようとすると、一般的なリチウムイオン電池に比べて、LFP電池もナトリウム電池もサイズや重量が大きくなりやすい。

半固体電池はこれらの新素材に比べると、エネルギー密度は従来のリチウムイオン電池とほぼ同等か劣る程度だ。また電解液をゲル状にしたことで化学的な安定性が高まっており、より多く充電して使うことができる。エレコムの半固体電池モバイルバッテリーは、リチウムイオン電池では約500回の電池寿命だったのに対し、約4倍となる2000回を実現した。他にもマイナス15度から45度まで、従来のモバイルバッテリーの0度から40度に比べて幅広い温度で安定して動作する。

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半固体電池はメリットも大きい(エレコム資料)
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