世界に民主化の流れをつくった「ピープルパワー革命」から40年/先頭ランナーのフィリピンはその後なぜ周辺国に劣後したのか

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インフラ整備の状況は、各国が力を入れる外資の導入や観光客の誘致に大きく影響する。フィリピンはいずれも周辺国と比べ1桁少ないのだ。

海外直接投資(FDI)は23年95億ドルだったが、1596億ドルのシンガポールを筆頭に他の5カ国はいずれも100億ドル以上だった(ASEAN・国連の報告書2024年版)。

25年の観光客数を比べると、マレーシアが前年比11.2%増の4220万人で首位、次点はタイで3297万人。これにベトナムの2117万人、シンガポール1691万人、インドネシア1539万人が続く。

対して、フィリピンは645万人。多くの美しいビーチなど魅力的な観光資源があふれているにもかかわらず、空港をはじめとするインフラの劣悪さ、外国人を狙った強盗の多発などの治安問題で集客は伸びない。

逆転を許す1人当たりGDP、かつてのベトナムの8倍

豊かさを示す代表的な指数である1人当たりの国内総生産(GDP)にこうした結果が反映される。24年の世界銀行のデータで比較すると、シンガポールが9万ドル以上と突き抜けており、約3万3000ドルのブルネイが続く。これに続くのは、マレーシア1万1000ドル、タイ7345ドル、インドネシア4925ドル、ベトナム4717ドルである。

フィリピンはこうした中で、3985ドルと低位中所得国のままだ。

インドネシアやベトナムと比べると大きな差はないように見えるが、過去を振り返れば異なる景色が見えてくる。

政変後の情勢が多少落ち着いた90年、フィリピンは803ドル(26年2月のドル換算)だった。つまり40年間で約5倍に伸びた。

ところが90年に624ドルだったインドネシアは2000年代初頭にフィリピンを上回り、約8倍に増えた。南シナ海をはさんで人口も面積もほぼ同じベトナムは90年当時、98ドルにすぎなかったが、19年には8倍差だったフィリピンを逆転した。この間の伸びは48倍に及ぶ。

フィリピンもそれなりに成長しているのだが、東アジアの奇跡といわれた周辺国の伸長と比べるとやはり取り残され感は否めない。

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