彼の会話の進め方は、“情報収集”になっていたのだ。
「お仕事は食品系ですよね。食品会社に繁忙期ってありますか? 残業もありますか?」「休日は土日休みとなっていましたが、休日出勤をすることもありますか?」「お住まいから会社までは、どのくらいの時間がかかるんですか?」 「結婚しても、仕事はフルタイムで働きたいですか?」
質問内容に問題があるわけではない。むしろ結婚を考えれば、確認しておきたいことばかりだろう。しかし、お見合いを終えたえみりは言った。
「いろいろ聞かれたのですが、 私といて楽しいのかどうかが、まったく伝わってきませんでした。なんだか会社の面接を受けているようでした」
やすおは、「会話が途切れないように」「沈黙にならないように」と次々に質問を繰り出したのだろう。しかし、それが好意を感じさせるキャッチボールではなく、条件を確認する質疑応答になっていたのだ。
なぜ交際がうまくいかないのか
今回の3人のように見た目、年齢、年収が婚活現場では、人気の層に属しているのに、なぜか交際がうまくいかない人というのは、本人たちが気づかない、思考や振る舞いに問題がある。
よしたかは、気取らず自然体でいることを、自分では良しとしている。しかし、女性側から見れば、その自然体は「自分に関心を向けられていない」というサインに映る。
やたらと会話に金額を入れ込んでしまうたかひろは、ごちそうする気持ちはあるので、決してケチなわけではない。しかし、損得勘定が多く入ってくる会話は、仕事上では有利に働くかもしれないが、男女間の会話ではロマンチックな要素が欠如し、恋愛感情を育てにくい。
やすおのように、情報収集する会話を積み重ねても、そこに会話の温度感がなく、こちらも恋愛感情が通い合う関係性を育てることは難しい。
婚婚活での出会いとは、それまでまったく異なる環境で生きてきた男女が、お見合いという形式を通じて初めて向き合う場である。そこには、相手との距離を少しずつ縮めていくための丁寧なやり取りが求められる。
2人で恋愛する関係を育てていくためには、効率や合理性ばかりを持ち込むのではなく、会話に感情を織り込んでいくことが大事だ。
「あなたに会えてうれしかったです」「デートできて楽しかったです」「これ美味しいですね」というような、喜怒哀楽の“喜”と“楽”に属する感情をたくさん入れていくと、会話の温度が温かくなるので、心がけてみてほしい。
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