ルンバが世界最小クラスのロボット掃除機を日本先行投入、経営統合後の再出発で「過剰設計」を改め普及率10%の壁に挑む

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そのときの取材で印象的だったのは、「今まで委託会社だったので、パイシアはすべての技術を開示していなかった。それが全部開示されるようになった」という発言だ。モップもLiDARセンサーも内製するパイシアの技術基盤が加わることで、日本市場に合った製品を早く、安く作る条件が整いつつある。

スティック掃除機の牙城を崩せるか

山田社長は30年までにクリーナー市場全体でブランドシェア20%を目指すと宣言している。掃除機の5台に1台をルンバにするという目標だ。前任の挽野元社長が掲げた目標を引き継いだ形だが、「ミニがあれば前倒しできる。30年まではかからない」と自信を見せた。具体的な目標販売台数は非公表だが、「過去最高を狙っている」という。

ターゲットとして意識しているのは、日本の掃除機市場で最大のシェアを占めるスティック掃除機だ。ルンバ ミニのメインブラシ幅はスティック掃除機のヘッドとほぼ同じに設計されている。スティック掃除機が入る場所ならルンバ ミニも入る、という発想だ。

ルンバ ミニとスマートフォンを並べたところ。本体直径は24.5cmで、従来モデルから約10cm小さくなった(写真:筆者撮影)

カラーは白、黒、桜、若葉の4色で和名を採用した。充電ステーションまで白黒以外の色を展開するのはルンバとして初めてだ。iRobotのアテナ・カスヴィキスCMOも発表会に登壇し、色の選定にも関わったと明かした。

カラーは白、黒、桜、若葉の4色。和名を採用した(写真:筆者撮影)

従来モデルのルンバ105とルンバ206は標準ラインナップから外れ、在庫限りの販売となる。4万9800円のルンバ ミニが実質的なエントリーモデルとなり、ラインナップは大幅に整理された。ルンバ ミニ スリムは縦置き充電スタンドを採用し、ルンバ105コンボロボットプラス比で設置スペースを約85%削減した。外出時にスタンドを倒せばルンバが起動し、帰宅後に立て直すだけで充電が始まる。

26年のルンバラインナップ。ミニの投入で従来モデルの一部は在庫限りの販売となった(写真:筆者撮影)

ルンバ ミニはパイシアとの統合前に企画された製品だ。垂直統合の効果が本格的に表れるのは、次の製品からになる。ただし、「過剰設計」を改め、日本市場の実情に合わせて機能を絞り込むという方向性は明確になった。ルンバの中身が変わり始めた最初の一歩だ。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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