専門医が教えるがん検診「ムダな検査」「必要な検査」――【肺がん】CTが必要な人・不要な人の違い【子宮頸がん】内診が嫌な人の注目の検査とは?
2024年度から、要件を満たした自治体は対策型検診として、「30~60歳の女性へのHPV検査」を導入できるようになった。
要件は、上記のような検診体制と検診後のアフターケアをすべて兼ね備えているうえで、▽国の指針と検診マニュアルに沿って実施する▽受診者の情報と検査結果をデータベースに保存し、そのあとの検診受診状況を長期に追跡できる――などとなっている。
「それらができないところでHPV検査だけ“やりっぱなし”の状況は、受診者にメリットがないからです」と齊藤医師。では、任意型検診のメニューにある場合、どうしたらいいか。
「陽性だったときのアフターケア体制が整っているか、公的医療保険が利かないアフターケアの費用を自分で負担するのか、対策型検診では認められていない自己採取検査になっていないかなどを、事前に詳細に確認して、受けるかどうか自分で判断する必要があります」
PET‐CTは受けるべきか
検診施設によっては、検査メニューにPET-CTというオプションがある。
がんが正常な細胞よりもブドウ糖を多く取り込む性質を利用したもので、ブドウ糖に放射性物質をくっつけた物質を注射し、糖の体内の分布をCTで画像化する。ブドウ糖がたまっている部位があれば、がんが存在する可能性も考えられる。
高額で、受けられる施設も限られており、また、PET-CTでがん死亡が減る証拠はないので、対策型検診になる可能性はないが、全身の様子が一度の検査でわかるなら、「使える検診」のイメージがある。
これに対して、齊藤医師は「“PET-CTを受ければ、ほかのがん検診が不要”というのは、誤解」「PET-CTが、がんの早期発見ができる装置という期待も、しないでほしい」などと述べる。
「そもそもPET-CTは、“すでにほかの方法でがんと診断された人が、どこまで病気が広がっているか、転移していないか、また治療後に再発していないかなどを確認するために用いられるもの”。たとえPET-CTを受けたとしても、“基本セット”は必ず受けてほしい」と話す。
任意型検診でオプション検査を選ぶにあたっては、実施機関側の“独自の考え方や都合で検診内容を決めている”という事実を念頭に置いておこう。それが、がんの部位や検査方法、対象者、検査間隔などを国が推奨している対策型検診と大きく違う点だ。
そのうえで、齊藤医師のアドバイスをまとめると次のようになる。
・なければ、住民検診で別途受ける(住んでいる自治体のがん検診を受ける権利がある)
・任意型検診のメニューで不要なものがあれば、受けない権利がある(そのぶんの費用が減額されるか否かは別として)
・オプション検査を付け加える必要があるか、加えるとしたらどんな検査が必要かは、自分で考える
では、「不安だから検診を受ける」「試しに受けてみる」という考え方はアリなのだろうか。
齊藤医師は「アリ、ナシ、の一律の答えはありませんが、自分で受けるかどうか判断するときに知っておきたいのが、“検診の不利益”です」と言う。




















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