「記憶力のプロ」が1万桁の数字を覚えられる理由――根性論でひたすら繰り返しても覚えられないのは当たり前

✎ 1〜 ✎ 72 ✎ 73 ✎ 74 ✎ 75
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

青木:例えば運動だと「限界」の壁は結構すぐに立ちはだかるものだし、かなり厳然としたものだと思います。100メートル走なら、そこそこ速い人でも16秒ぐらいかかりますよね。オリンピック選手でも10秒ぐらいで、9秒台を出したらもう世界記録レベルで、この辺りにもう超えられない壁があります。でもメモリースポーツの場合、訓練すれば、無意味な数字の羅列でも500桁でも1万桁でも覚えられるようになってしまうんです。最初のうちは5桁、10桁ぐらいで限界だと思っていたのに、それが何倍にもなって結果が出てくるので、自分でもどこまでいけるんだろうという楽しさがあります。

窪田:サヴァン症候群などで特殊な能力を持った方が、何十年も前の日付と天気を挙げることができたり、自分の経験したことを克明に覚えていたりすることがありますよね。記憶力の増進と、そういったケースの関連性はあるのでしょうか。昔よりも一日のことが詳細に記憶に定着するようになったとか、そういったことは感じますか? それとも、やはりそういった能力とはまったく別なのでしょうか?

メモリーアスリートには「記憶モード」がある

青木:まったく別ですね。僕らのようなメモリーアスリートの場合は、まずは人間がどう物事を覚えるかという仕組みを知って、その方法を身に付けるんです。さらにそれを訓練することによって早く正確に、大量に記憶できるようになるというスキルなので、自分の中で、これから覚えるぞという「記憶モード」に入ってあげないといけないのです。過去100年分の天気を覚えてくださいと言われたら覚えることはできますが、そういった特殊能力のように、意識せずに自然と覚えて忘れない能力ではありません。

2018年のアジアオープン大会(Asia Open Memory Championship)にて
2018年のアジアオープン大会(Asia Open Memory Championship)にて(写真:青木氏提供)
次ページ暗記は根性論ではない
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事