「記憶力のプロ」が1万桁の数字を覚えられる理由――根性論でひたすら繰り返しても覚えられないのは当たり前

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窪田:なるほど。それをトレーニングで可能にするということが素晴らしいです。筋肉のトレーニングでも同様のことが言えると思いますが、やっぱり継続できるということがまずすごいですね。多くの大人は途中で挫折してしまうと思います。

青木:おっしゃるとおりで、メモリースポーツに取り組もうとしても、結局は挫折してしまう人のほうが多いのです。スポーツでも勉強でも仕事でも、あるいは音楽でも何でもそうだと思いますが、結果を求めるなら続けることが大切です。短期的に結果を出そうとすると、うまくいかないことのほうが多いのではないでしょうか。

窪田:実は私も、単純暗記や一夜漬けが極端に苦手なんです。だから記憶力だけは昔から自信がありませんでした。歴史の年号や解剖学の骨の名前など、無意味なものを覚えるのがやっぱりすごい苦痛でしたね。ストーリーやコンテクストがあれば簡単に覚えられたので、本当はどう文脈化するかということが重要だったのかもしれません。

工夫して「単純記憶」を減らす

青木:記憶とか暗記とかいうと、日本では根性論のような感覚を持っている人が多いと思います。「とにかく何回も書いて覚える」「声に出して繰り返す」など、時間をかけることを重視する傾向がありますよね。でも実はそれより効率がいいのは、短い時間の中で集中して取り組むやり方です。なかなか覚えられないものがあれば、闇雲に繰り返すよりも、自分は何が原因で覚えられないのかを考えると記憶に残りやすくなります。根性で大量に詰め込むのではなく、そういった工夫でなるべく「単純暗記」を減らすこと。これが大切だということは、学生にも社会人の方にもしっかり伝えるようにしています。

(構成:鈴木絢子)

青木 健 メモアカ代表取締役CEO/日本メモリースポーツ協会会長

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あおき たける / Takeru Aoki

東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修了。記憶力日本チャンピオン、世界記憶力グランドマスター。東京大学大学院では英単語を効率的に記憶する方法に関する研究を行っていた。福音館書店を経て、現在は「メモアカClass」など、記憶に関するさまざまなサービスを提供する東大関連スタートアップ企業を経営する。著書に『東大式 記憶力超大全』、『記憶力日本チャンピオンの 超効率 すごい記憶術』(総合法令出版)などがある。幼児向け知育ゲーム『あたまがよくなる!天才きおくカードゲーム』(幻冬舎)の開発も行っている。

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窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO

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くぼた りょう / Ryo Kubota

慶應義塾大学医学部卒業。慶應大医学部客員教授、米NASA HRP研究代表者、米シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経て米ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、米FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている。

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