稲田:こういう話をすると、「今の若者はけしからん」とか、「どう改善していけばいいんですか」といった反応が必ず出てくるんですが、僕はそれよりまず、そういう価値観の若者が増えていることを解像度高く、正確に理解することが大事だと思っています。
金間:同感です。僕自身も、「若者の無敵化」は社会問題ではなく、社会現象だと書きました。良し悪しではなく、価値観が違うという事実をまず受け止める。
若者はその時代の「炭坑のカナリア」
稲田:金間先生も僕も若者に焦点を当てた本を書いていますが、言いたいことは、それを踏まえて「これからの社会がどうなっていくかを議論すること」です。
社会の影響を真っ先に受けて世の中から叩かれるのは、その時代の若者たちです。僕が22年に『映画を早送りで観る人たち』(光文社新書)を出版したときも、当初は「映画やドラマを倍速で観るなんて、そんなけしからん若者がいるんですか!?」という年輩の方からの反応が多かったのですが、4年経った今では、年配層も普通に早送りで観ています。
その意味で、若者は「炭坑のカナリア」なんですよね。大きな社会変化の予兆を真っ先に知らせる存在。
金間:若者の価値観はまだ大きく変化しています。若者の特徴だった「いい子症候群」の傾向は上の世代にも浸透していって、今の20代はむしろ「いい子の装い」すらしなくなってきました。だから「無敵」なんです。
稲田:おそらく今日お話ししたようなことは、数年後にはもっと顕在化し、当たり前になっているのではないでしょうか。それこそ倍速視聴習慣と同じで。企業も社会も、それに対してどう準備していくかが問われると思います。
