なぜあのチームはギスギスするのか?「ループ図」で人間関係のメカニズムを可視化し、モヤモヤを解消する方法

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先ほどの例で言うと、図のような悪循環が回っていました。まるで「焼き畑農業」です。大事なことはこの悪循環を断ち切ることです。

図1
(画像:著者作成)

たとえば「クレーム」に着目するなら、重要顧客から品質改善活動を開始する。その間の新規受注の納期は長くする。あるいは「無理な受注」に着目するなら、新規受注は個別にカスタマイズする要素を減らして既存製品で対応し、開発の工数を浮かせる、といったアイデアも出てきます。そして悪循環を好循環に反転することができればしめたものです。

図2
(画像:著者作成)

現象は「構造」によって生まれる以上、現象を変えるためには「構造」を変えるしかないのです。相手が好きか・嫌いか、相手が正しいのか・悪いのかの問題ではないのです。人間関係についても例を挙げてみましょう。

例えば、部下が指示通りに動かないと悩むマネジャーであれば、まずは「なぜできないのか」を問い詰めるのではなく、相手の話をじっくり聞くことから始めてみるべきです。

・「実は業務量が多くてパンクしている」
・「このプロジェクトの目的が腹落ちしていない」

こうした相手側の背景(本質)を理解しようと努めることで、例えば「優先順位の整理」といった新しい要素がループに加わります。すると、「上司は自分の状況を理解してくれている」という信頼が芽生え、部員の行動が前向きになり、それがマネジャーへの信頼をさらに高めるという「好循環のループ」へと変化していくのです。

図を描くことは、自分との対話である

ビジネスの世界では、何が正しくて何が間違っているか、一見して判別できないことが多々あります。そんな時、立ち止まって「図」を描きながら考えることは、「何を考えるべきかを考える」ことであり、「自分との対話をしながら、自ら道を切り拓こうとすること」に他なりません。

もし今、あなたが職場の人間関係に疲弊しているのなら、まずはそのモヤモヤをループ図という「図」に落とし込んでみてください。感情の霧が晴れ、どこに一石を投じれば「好循環のループ」が回り始めるのかが、驚くほどクリアに見えてくるはずです。

その小さな一歩の積み重ねこそが、あなたの「問題解決力」を磨き、ビジネス人生をより豊かなものへと変えていくのです。

平井 孝志 筑波大学大学院ビジネスサイエンス系教授

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ひらい たかし / Takashi Hirai

東京大学教養学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。マサチューセッツ工科大学(MIT)MBA。早稲田大学より博士(学術)。ベイン・アンド・カンパニー、デル(法人マーケティング・ディレクター)、スターバックス(経営企画部門長)、ローランド・ベルガー(執行役員シニアパートナー)などを経て現職。コンサルタント時代には、電機、消費財、自動車など幅広いクライアントにおいて、全社戦略、事業戦略、新規事業開発の立案および実施を支援。現在は、経営戦略、ロジカル・シンキングなどの企業研修も手掛ける。三井倉庫ホールディングス社外取締役。著書は『本質思考』他多数。

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