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輸入依存のバイオマス発電、海外のペレット産地では森林破壊で生物多様性喪失や洪水被害、炭素中立も疑問。「国産材中心に熱利用とセットで」

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──森林生態系の専門家や環境NGOからは、「燃料生産から発電までのライフサイクルベースで見た場合、カーボンニュートラル(炭素中立)とは言いがたい」といった批判もなされています。

一部の木質系バイオマス発電では、大気中の二酸化炭素(CO₂)を吸収・固定する役割を果たしてきた森林を伐採し、製造した木質ペレットを発電用燃料として燃やすことにより電気エネルギーを取り出している。もう一度植林すればやがていつかはCO₂は森林に吸収・固定されるので、長い期間で見れば、CO₂は増えることも減ることもないというのが、カーボンニュートラルの考え方だ。

──実際はどうでしょうか。

植林した木が立派な森林に生長するまでには数十年から数百年という年月が必要だ。必ず順調に生長するとは限らない。もともとの森林が。人間の手の加わっていない天然林であり、それを伐採して針葉樹を植えた場合、同じ森林とは言えない。

特に天然林を皆伐する場合には深刻な問題が生じかねない。広葉樹の多い豊かな天然林では、その落ち葉を昆虫が食べて糞を落とし、その糞を微生物が分解する。長い年月をかけて土壌は形成され、炭素は地中に蓄積される。しかし皆伐が行われると土壌の分解も進み、地中に蓄えられていた炭素が大気中に放出されてしまう。土壌は炭素の蓄積源から放出源に変わり、地球温暖化をさらに加速させることになる。

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