民主主義に対する高まる不信感……独裁者が台頭し、独裁国家が増加することで独裁政権がより強固になるという不穏な世界情勢

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もうひとつの問題として、20世紀の終わりごろから、ヨーロッパもアメリカも民主主義が暗路に入り込んでいるということがあります。

アメリカは、格差が非常に激しくなっています。一部の富裕層が富を独占し、中間層や中流階級が崩壊して、どんどんみんなが貧しくなるという二極化が進んで惨憺たる状況です。そして、その社会がドナルド・トランプを生み出す契機になりました。

一方でヨーロッパは、移民の流入によって治安が悪くなったり、人々の不安が高まったりして、結果として右派政党の勢力が伸びるということが起きている。ヨーロッパのリベラリズムは、もはや風前の灯火です。

こういう状況を見ていると、果たして民主主義は我々を幸せにしてくれているのかということになります。

「独裁国家でもいい」という人たち

SNSが普及して、民意が見えるようになればなるほど、ある種のポピュリズムが広がるようにもなり、それによって政治が非常に動きにくくなる。
それなら、独裁国家で、独裁者がより良き政治をやって、リーダーシップを取った方がいいのではないかと思うことも起きるわけです。

実際に、海外の先進国で若者にアンケートを取ると、「独裁国家でもいい」と言っている人が少なくないという調査結果もあります。民主主義があまりにも暗路に入りすぎて、うまくいかなくなっていることへの反動とも言えるでしょう。

(後編に続く)

(構成:泉美木蘭)

佐々木 俊尚 作家・ジャーナリスト

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ささき・としなお / Toshinao Sasaki

1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。毎日新聞記者、『月刊アスキー』編集部を経て、2003年よりフリージャーナリストとして活躍。ITから政治、経済、社会まで、幅広い分野で発言を続ける。最近は、東京、軽井沢、福井の3拠点で、ミニマリストとしての暮らしを実践。『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)、『そして、暮らしは共同体になる。』(アノニマ・スタジオ)、『時間とテクノロジー』(光文社)、『この国を蝕む「神話」解体 市民目線・テクノロジー否定・テロリストの物語化・反権力』(徳間書店)、『歩くを楽しむ、自然を味わう フラット登山』(かんき出版)など著書多数。

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