上智は理工で世界を目指す 国内外の学会や海外最先端大学で得られるもの
私立大学の理工学部は他学部と離れたキャンパスにあるケースが多いが、上智大学では四谷キャンパスに理工学部を含む9学部が集結している。「小さな総合大学」だからこその機動力は、理工学部におけるグローバル教育にも存分に発揮されている。
「同じキャンパスにあることで、教員間の連携や情報共有を図りやすく、文理融合型のカリキュラムを組むことができる。そのため、理工学部の学生も、他学部開講科目やグローバル教育センター、言語教育研究センターが開講するさまざまな科目を受講することもできる。また、学部関係なく行われる国際関係のセミナーやフォーラムへの参加もしやすい」(築地学部長)
世界的企業との産学連携、受託研究で
社会のニーズに応える
企業との産学連携も進んでいる。昨年11月には世界的自動車メーカーのボルボ・グループと産学教育連携協定を締結。すでに今年秋学期からは、日本国内のボルボ・グループの拠点での短期インターンシップも行われている。
加えて来年春学期からは、スウェーデン、米国、フランスのボルボ・グループ研究施設や工場において英語による3カ月のインターンシッププログラムが全学共通科目として開講される。ボルボ・グループは同様の産学連携協定を世界6カ国・10校と締結しているが、日本では上智大学が初めてだ。これも、上智大学のグローバル教育が高い評価を受けていることの裏付けと言えるだろう。
また、研究の面においては日産自動車・トヨタ自動車(物質生命理工学科・陸川政弘教授)をはじめとした、多様な企業との受託研究を通じて、社会のニーズに応える新たな技術開発に挑んでいる。
築地学部長は「『地球規模の環境と人間』をキーワードとした研究開発を推し進め、国際社会で活躍できる力を持った研究者や技術者を育てていきたい」と意気込む。グローバルな視座を持った「理工ソフィアン」の育成に大きな期待がかかっている。