テレ朝ドラマ『ちょっとだけエスパー』から東大生にまさかの依頼→「エスパー監修」という仕事の正体とは
『ちょっとだけエスパー』でも、こうした作業を繰り返しました。たとえば「花を咲かせる能力」を持つキャラクター・桜介が登場します。しかし、ただ花を咲かせるだけでは、物語的にも映像的にも弱い。そこで私たちエスパー監修は、「花が咲くとはどんな現象なのか」「生物学的に何が起きているのか」といった点から考えはじめました。
植物の成長ホルモンが刺激され、細胞分裂が促進される。では、人間がそれを引き起こすにはどんなメカニズムが考えられるのか。最終的に採用された設定は、「手から活性酸素を放出する」というものでした。活性酸素によって植物の代謝を異常に加速させ、一瞬で花が咲く――。
「まあ、これなら科学的に説明できなくもない、か?もちろんツッコミどころはたくさんあるけれど、説明できなくもないのでは?」
もちろん創作作品の話ですから、どこまでいっても科学的に正しくはなりません。それでもどこまでが科学的な説明として受け入れられるかのラインを見極めるのもエスパー監修の仕事だと言えます。
花を咲かせられるなら「老化促進」もできる
さらに、活性酸素を扱えるという設定は、植物だけでなく人体への作用にも応用できます。活性酸素は老化や炎症にも関係しますから、「老化促進」「腐敗促進」「細胞酸化」など、能力のスケールを自然に広げられます。
花を咲かせるのがレベル1なら、レベル5では「生命の成長と劣化を操る能力」になる。こうした“スキルツリー”は、科学的な仮定から自然に派生していくのです。
このように能力設定を考える際には、まず「科学的な原理を仮定する」。次に「その原理が生み出す副作用や拡張性を検討する」。そして最後に「物語のテーマと結びつける」。この3段階を踏むことで、エスパー能力は“リアリティを持った幻想”へと変わります。現代の視聴者は、こうした裏付けを無意識のうちに求めているのです。
では、なぜここまで科学的な監修が必要とされるのでしょうか。




















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