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ディープインパクトは今も競馬界を席巻中! 種馬としても圧倒的だった最強三冠馬

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12年も産駒の勢いはとどまることを知らず、ダービーではディープブリランテが直線での叩き合いを制してダービー父子制覇を果たし、ジェンティルドンナがJRA史上3頭目の桜花賞、オークス、秋華賞の「牝馬三冠」の快挙を達成。また、ジェンティルドンナは同年のジャパンカップで史上初となる3歳牝馬の勝利を挙げている。産駒の年間獲得賞金は50億円を突破し、ディープインパクトがリーディングサイアーランキングのトップに立った。

05年の菊花賞を制し、無敗のまま三冠達成。京都競馬場には菊花賞のレコードとなる13万6701人の観客が詰めかけた(写真:毎日新聞社/アフロ)

13、14年も産駒は勝ち続け、リーディングサイアートップの地位は変わらず。特に14年は、JRAの23あるGⅠレースのうち11をディープンインパクトの産駒が占めるという独走ぶり。14年の獲得賞金は約67億6300万円で、2位のキングカメハメハと28億円もの大差をつけたのだった。

15年の10月にはJRA通算1000勝を達成。産駒デビューから5年3カ月での到達は、以前の最速記録だったキングカメハメハの6年1カ月を半年以上も上回る驚異的なペースだった。また、同月のGⅠ・秋華賞ではミッキークイーンが勝ち、JRA重賞100勝も記録。ディープインパクトの父、サンデーサイレンスが持っていた5年11カ月の最速到達記録をこれまた更新して、早くも「父超え」を果たした。

当初、1200万円でスタートした種付け料は、産駒の活躍とともにうなぎ登り。14年は2000万円に設定されたにもかかわらず255頭の牝馬を集めた。来年春の種付け料は2500万円まで跳ね上がっているが、200頭超えは確実視されているので、種付け総額60億円も夢ではなくなっているのだ。

今後の悲願は、自身が06年に挑戦して敗れた凱旋門賞(フランス)を、産駒が制覇することだろう。現在13歳のディープインパクトは、健康であればあと7~8年は種牡馬としての活躍が見込めるため、産駒による凱旋門賞の日本馬初勝利も決して夢物語ではない。

引退から10年。北海道の牧場でのびのびと過ごすディープインパクトにとっては、他の競走馬との争いも観客10万人の熱狂も遠い過去のものになった。だが、ディープインパクトは、自身の知らないところで、いまだに日本競馬界の期待を背負い続けている。

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用語解説
産駒<さんく>
ある馬から生まれた子ども。
重賞<じゅうしょう>
高額の賞金がかかる特定のレース。GⅢ、GⅡ、GⅠの順で賞金も注目度も上がる。
クラシック
伝統的なレースで、日本では皐月賞・日本ダービー・菊花賞・桜花賞・優駿牝馬(オークス)のことを指す。
三冠<さんかん>
3歳限定のGⅠである皐月賞、日本ダービー、菊花賞の3レースのこと。牝馬も出走は可能。
顕彰馬<けんしょうば>
JRAの発展に多大な貢献のあった過去の名馬の功績をたたえ選出される。
種牡馬<しゅぼば>
繁殖用のオス馬。サイアー。競走馬として優秀と見なされないと種牡馬にはなれない。
牡馬<ぼば>
オス馬。
牝馬<ひんば>
メス馬。
リーディングサイアー
産駒の年間獲得賞金における種牡馬の順位。また、そのトップの種牡馬。
牝馬三冠<ひんばさんかん>
3歳の牝馬限定のGⅠである桜花賞、優駿牝馬(オークス)、秋華賞の3レースのこと。牡馬は出走できない。

 

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http://umabi.jp/