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ディープインパクトは今も競馬界を席巻中! 種馬としても圧倒的だった最強三冠馬

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ディープインパクト産駒であるエイシンヒカリ(右)が、15年の毎日王冠を制した(写真:アフロ)

2015年10月11日、大きなニュースにはならなかったが、競馬界に新たな記録が打ち立てられていた。

記録が生まれたレースは、東京競馬場で行われた毎日王冠(GⅡ)。これは66回を数える伝統のレースで、天皇賞・秋(GⅠ)の前哨戦としても知られている。今年は13頭の出走となったが、そのうちの10頭が同じ父を持つ子ども(=産駒)だった。その占拠率は実に76.9%で、これがJRAの重賞レース史上最高の記録だったのだ。結果も、その産駒が1・2・4・5着と上位をほぼ独占していた。

その父の名を、ディープインパクトという。

飛ぶように走る
次元の違う三冠馬

ディープインパクトはちょうど10年前の2005年に皐月賞、ダービー、菊花賞という「クラシック」を無敗のまま制し、JRA史上6頭目の三冠に輝いた名馬。国内13戦12勝、うち7勝はGⅠという圧倒的な成績を収めた。前人未到のJRA通算3700勝を挙げ、ディープインパクトの全レースの手綱を取った武豊騎手が「まるで『飛ぶ』ような走り。今までにこんな馬は乗ったことがなかった。他馬とは次元が違った」と評したほどだ。08年にはJRAの「顕彰馬」に選ばれ、オグリキャップらと同じく殿堂入りした。

北海道の雄大な牧場でのんびりと過ごすディープインパクト(写真:読売新聞/アフロ)

ディープインパクトは現在、北海道にある社台スタリオンステーションで種牡馬(=種馬)として「第2の馬生」を送っている。しかし、その種牡馬生活は現役生活と同じく1年目から記録ずくめだった。

07年、初年度の種付け料は1200万円と設定されたが、それは当時のリーディングサイアートップであるアグネスタキオンと同額。現役時代のディープインパクトの競走能力は誰もが認めるところだが、それが産駒に遺伝するかはこの時点ではまだ不明だった。

次ページ初年度種付け料でいきなり記録更新
用語解説
産駒<さんく>
ある馬から生まれた子ども。
重賞<じゅうしょう>
高額の賞金がかかる特定のレース。GⅢ、GⅡ、GⅠの順で賞金も注目度も上がる。
クラシック
伝統的なレースで、日本では皐月賞・日本ダービー・菊花賞・桜花賞・優駿牝馬(オークス)のことを指す。
三冠<さんかん>
3歳限定のGⅠである皐月賞、日本ダービー、菊花賞の3レースのこと。牝馬も出走は可能。
顕彰馬<けんしょうば>
JRAの発展に多大な貢献のあった過去の名馬の功績をたたえ選出される。
種牡馬<しゅぼば>
繁殖用のオス馬。サイアー。競走馬として優秀と見なされないと種牡馬にはなれない。
牡馬<ぼば>
オス馬。
牝馬<ひんば>
メス馬。
リーディングサイアー
産駒の年間獲得賞金における種牡馬の順位。また、そのトップの種牡馬。
牝馬三冠<ひんばさんかん>
3歳の牝馬限定のGⅠである桜花賞、優駿牝馬(オークス)、秋華賞の3レースのこと。牡馬は出走できない。

 

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日本中央競馬会

http://umabi.jp/