理想の上司は「塾講師」!? 今の若者は「仕事は、とにかく全部わかりやすく教えてほしい」と思っている

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ワークライフバランス重視(という名のワーク軽視・ライフ重視)を目指したいのにもかかわらず、皆が一つの目標を共有し、志高く、お互いに切磋琢磨するような情熱あふれる職場に入ってしまったら、自分も努力しなければならなくなる。

今の多くの若者は、そんな努力に意味や意義を見出してはいない。それは会社や上司にとっての意味や意義であって、出世も成功も望んでいない若者にとっては圧でしかない。

若者が「お客様」化していく

どうだろう。現在の若者にとって、仕事に情熱を持った上司や活気のある職場は急速に忌避される傾向になる。逆に急浮上する理想の上司像は、とにかく丁寧に教えてくれる上司だ。

他方、上司たちは依然として、部下たちには主体的に自ら動いてほしいと考えている。

この上司と部下の認識ギャップは、埋まるどころかますます開き、日本海溝並みの深い谷を組織にもたらす。

このとき、今の日本では、ほぼ確実に上司側がこの深い海溝を埋めねばならない。パワーバランスという観点において、今の若者たちは圧倒的優位にあるためだ。

安定した安全安心ライフを求める若者たちと、主体的にリスクを取って行動してほしい先輩・上司たち。この綱引きにおいて、今の日本は若者側の圧勝になる。

こうしてつぎつぎと若者への配慮が積み重ねられ、お客様化していく。

そうやって今の若者たちが「無敵化」していると僕は感じる。

金間 大介 金沢大学融合研究域教授、北海道医療大学客員教授

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かなま だいすけ / Daisuke Kanama

北海道生まれ。横浜国立大学大学院工学研究科物理情報工学専攻(博士(工学))、バージニア工科大学大学院、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、文部科学省科学技術・学術政策研究所、北海道情報大学准教授、東京農業大学准教授等を経て、2021年より現職。専門はイノベーション論、マーケティング論、モチベーション論など。若手人材や価値づくり人材の育成研究に精力を注ぐ。大手企業のほか、医療機関や社会福祉法人との連携も多数。主な著書に『先生、どうか皆の前でほめないで下さい――いい子症候群の若者たち』(東洋経済新報社)、『静かに退職する若者たち』(PHP研究所)、『ライバルはいるか?』(ダイヤモンド社)など。一般社団法人WE AT副代表理事、一般社団法人日本知財学会理事も務める。

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