三菱商事復興支援財団

農業の6次産業化で、ふくしまを元気に

三菱商事復興支援財団

 

ワインやリキュールが福島ブランドを向上させる

地元農家
菅野 豊

プロジェクトに参加する地元農家の菅野豊氏は観光葡萄園を経営していたが、震災の影響で客足が途絶え、閉じざるを得なくなった。これまでもワインに興味があり、メルローなど醸造用葡萄を10数年前から独学で栽培し、猪苗代や山形のワイナリーに醸造を委託したワインを仲間内で楽しんできた菅野氏だが、今回新たにカベルネソービニヨンとシャルドネの栽培を開始した。「いい葡萄でなければ、いいワインはできません」と説く菅野氏は、「これからも試行錯誤を繰り返しながら、郡山の土壌や気候に合った、福島らしいいい葡萄をつくる勉強を重ねて、必ずこのプロジェクトを成功させたい」と意欲を見せる。

地元農家
中尾秀明 中尾一明

一方、これまで生食用の葡萄を栽培してきた中尾一明氏、秀明氏の親子にとっては、醸造用葡萄の栽培は初めてとなる。「新たにメルロー、リースリングの栽培を始めました。葡萄栽培に必要な技術は、生食用も醸造用も基本的なところは変わらず、いままでのノウハウが活用できると考えています」と話す中尾親子は、「ワインを福島県の新たな特産品にしたい。そのためにも、品質の良い葡萄の提供を第一に、新しいことにも果敢に挑戦して福島のみんなを元気にしたいです」と意気込みを語った。

農家にとって6次化は冒険かもしれないが、そこに企業の力があれば心強いことだろう。実際、農家は経営の安定化を図ることができるというメリットもある。生食用だけでなく醸造用の葡萄も栽培したり、生食用の桃や梨、林檎を醸造に新たに活用することに加え、生産から加工、販売までを一貫して行うことで、農家は打ち手の選択肢が増えリスクを分散できるからである。また、ワインやリキュールが全国的に認知を得るようになれば、地元産の果物の価値がさらに高まり、ひいては福島県の農産物のブランド力向上にもつながる。

まだ、挑戦は始まったばかり。6次産業化が新しい復興のかたちとなるか、という期待の声もあるが、それにとどまらない日本の農業の新しい未来が、ここにあるのではないだろうか。

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