没入感がハンパない「聴く読書」の新常識──アマゾンの音楽サブスク、体験の定着を目論む戦略に迫る

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また、書き手としてイベントに参加した作家の平野啓一郎氏は、昔カーオーディオから流れてくる音楽を家族で聴いた思い出があるように、オーディオブックも人と共有する物語になるのではないか、との考えを示した上で、6月26日から配信が始まる、Audibleオリジナルの教養シリーズ『A University』作品の展望を語った。

「人の言葉にじっくり触れることが難しい時代に生きていく中で、オーディオブックの体験はとても大切ではないかと思います。誰に、何の話をしてもらったらいいのか、すごく考えて検証しているので、どうぞご期待ください」(平野氏)

オーディオブックが狙う没入型ストーリーテリング

オーディオブックは、書籍と音声コンテンツを中心に、様々なコラボレーションが盛んに行われている、非常に魅力的な領域だ。
こうしたクリエイティブな状況を作り出す方法について、キャリガン氏に聞いた。

「こうしたコラボレーションは、本当に、アイデアから始まります。私たちは、素晴らしい物語をイメージし、著者やその他のクリエイターと協力していきます。

安田章大氏と平野啓一郎氏
オーディオブック作品に参加したタレントの安田章大氏(左)と、作家の平野啓一郎氏(右)。それぞれの立場から、オーディオブックのクリエイティブな可能性について議論した(筆者撮影)

例えば『1Q84』(村上春樹)のような物語を俳優とストーリーテリングとして作り上げたり、著者と新しいオリジナル作品を制作したり、あるいはオーディオブックを、映画のようなダイナミックな演出に仕上げるかもしれません。

全ては、没入型ストーリーテリングとして、細かく作りこむことで、顧客の皆様に満足していただけるように、取り組んでいます」(キャリガン氏)
オーディオブックのコンテンツも、翻訳をして海外に展開する取り組みも行われている。同時に、ユーザーが作成するコンテンツ(UGC)の可能性についても触れた。

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