没入感がハンパない「聴く読書」の新常識──アマゾンの音楽サブスク、体験の定着を目論む戦略に迫る

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「オーディオブックをAudibleが発明したことを、本当に誇りに思います。日本に上陸して10年ですが、当時は『オーディオブック』という言葉すら存在しなかったことを考えると、書籍の分野で最も急速に成長しているセグメントです。

特に、読書好きの方にとっては、『ながら読書』ができるという点を価値にしていると思います。また、2022年に聴き放題サービスを導入してから、166%の会員増加がありました」(キャリガン氏)

今回のAmazon Music Unlimitedとのバンドルについて、キャリガン氏は「新しい、成長の次の段階」と位置づけているという。

「オーディオブックを、これまでよりもはるかに多くの方々に紹介できることを楽しみにしています。これまでオーディオブックを試したことがない人も、毎月1冊、Audibleのタイトルを試すことができ、まったく新しい層にオーディオブックを紹介できるチャンスとなりました」(キャリガン氏)
また、Amazon Musicにとっても、メリットがあるという。

「Audibleは、Amazon Music Unlimitedの全ての顧客にリーチできるようになりました。これは素晴らしい価値提案であり、推し活における素晴らしい価値を見つけ続けられるようにすることが、私たちの使命です」(レディントン氏)

日本で育つ、オーディオブックのクリエイティブ

オーディオブックは、単に書籍を朗読するだけの音声コンテンツではない。アーティストや俳優、声優とのコラボレーションと、効果的な演出を加え、「より魅力的なストーリーテリングのエンターテインメントに昇華」(キャリガン氏)している。

日本でも、村上春樹や東野圭吾といった人気の小説作品を、俳優・女優、声優などのタレントが読み上げるといったコラボレーションを通じて、新しいクリエイティブを作り出している。

今回の発表イベントに参加し、『夜行観覧車』(湊かなえ)のオーディオブックを担当したタレントの安田章大氏は、演じ手としての違いを次のように述べた。

「活字から入ってくる情報と、耳から入ってくる情報は、人間の感受性によって違い、文字より、柔らかくタッチできるのではないかと思います。

(演じ手として)ビジュアル要素を含んだ演技ではないこと、そして一つの作品で一人を演じるという演技という違いがありました。作品全体を把握をして、そして全キャラクターがどういう人生を過ごしてきたか、そしてこれからどう過ごしていくのか。その世界にちゃんと自分の中から落とし込む、そんな好奇心が楽しかったです」(安田氏)

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