吉村洋文が語る≪大阪・関西万博≫「うれしい悲鳴」と「ポスト万博」戦略
塩田:過去に2回、住民投票で否決となった大阪都構想案にもう一回、挑戦しますか。
吉村:都構想をもう1回とは、ここでは言わないけど、やはり強力な統治機構を大阪、関西で造ることは、大阪だけの話ではなく、日本全体の国家構造、都市構造を考えるときに重要だと僕は思っています。
塩田:馬場伸幸前代表の退任後、日本維新の会の単独代表に就任して半年が過ぎました。前回の「東洋経済オンライン」のインタビュー(2020年7月公開)では、「政治家は使い捨てでいい。府知事は一所懸命にやりますが、政治家としての野心はない。国政に行きたいとも思わない」と明言しました。国政政党でもある維新の党首に就任したのは、前言を飛び越えた決断という印象ですが、去年の12月、なぜ単独代表を引き受けたのですか。
政治家は使い捨てでいいという考えは、今も変わらず
吉村:危機感ですね。昨年の衆議院総選挙で、与党が過半数割れしたのに、維新は大阪以外、全国で見れば、野党で一人負けしているような状況でした。維新の理念、パーパス(存在意義)が見えにくくなっている、揺らいでいるといったところに大きな理由があるだろうと感じました。
もう一つ、選挙前、党内で意見対立が起きていて、基本的な考え方、進め方で意見がぶつかるところがあり、一致して政策を実現する、目的に向かって進んでいくのが難しい状況になったまま衆院選に突入した。つまり、外から見ても対内的にも、国政政党である日本維新の会が揺らいできたと思います。
橋下徹さん(元代表。元大阪府知事、大阪市長)や松井一郎さん(同)という創業者のオーナーがいなくなり、改革政党としてもう一度、原点に立ち返り、日本に必要な改革をやっていくにはどうするか。その足固めまでは僕がやらなければ、と考えました。
去年の12月の代表選挙でなぜ自分が代表になったかというと、そこをきちんとみんなで再確認し、みんなで共有をして進んで行けるような政党を作っていこうということです。その土台を造ることができれば、次のリーダーにバトンタッチしたらいい。なので、政治家は使い捨てでいいという考えは、今も変わっていません。現在の府知事の任期は、必ずやりますけど。
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