そのうちに仕事が忙しくなり、恋愛モードから遠ざかったという里香さん。2年間ほどは友だちと会う暇もないほど仕事に集中していた時期がある。
「ちょっと落ち着いた頃に、しばらく会っていなかった同い年の友だちから結婚の報告を受けたんです。2年のうちに同世代はそんなことになっていたのだと焦りました。33歳のときです」
結婚相手の条件は…
行動力と決断力に富んだ里香さんはアプリに向いていたのかもしれない。まずはネット上の口コミを精査して「真面目な男性が多い」と思われるアプリに登録。加工はしないけれどキレイに撮ってもらった写真を掲載したところ、250人の男性から「いいね!」がついた。
里香さんが求める条件は、「神奈川県内に住んでいること」「身長170センチ以上」「年齢は10歳上まで」「年収は400万円以上で共働き希望」の男性である。合致した30人には「いいね!をありがとうございます」から始まるお礼メッセージを書いた。
「でも、ちゃんと返信をくれたのは10人だけでした。とりあえず『いいね!』をしたけれど、私のプロフィールをよく見たら興味がなくなったのかもしれません」
それでも里香さんは「婚活疲れ」などとは言わずに継続。アプリで結婚を目指すのであれば、ITリテラシーに加えて心身の持久力が必要なのかもしれない。
里香さんには職業上の負い目があった。落ち着いたとはいえ病院の仕事は忙しく、シフト勤務のために土日休みとは限らない。緊急の呼び出しもある。弘樹さんとの初対面の席は2回もドタキャンしてしまったと振り返る。
「丁重に謝って、誠意を見せるために別の日程をこちらから提案しました」
のんびりしている理系男子である弘樹さんは「大丈夫ですよ」と応じてくれた。それだけでも好印象だが、実際に会ったときに「あ、私が探していたのはこの人だったのかな」と直感したと里香さんは振り返る。
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