現場に入ったスタッフは計3人。空になった実家は売りに出す予定なので、すべてのモノを外へ搬出していく。


カビだらけの実家を「撮影してほしい」と希望した理由
月に約400軒の片付けを行うイーブイは、そのうち2軒ほどを撮影し、YouTubeで公開している。今回の撮影は、依頼者の男性たっての希望によるものだった。
「私にとってこの家は勝手わからぬ実家でいいんですが、子どもたちにとっては夏休みや冬休みに来ていたおじいちゃんおばあちゃんの家なんです。それを残したいなと思い、撮影をお願いしました」(男性)

生前の父が使っていた書斎には趣味のモノがまだ多く残っていた。野鳥が好きで六甲山によく写真を撮りに行っていた父は、この書斎でよく写真の整理をしていたようだ。

荷物量としてはそこまで多いわけではないので、4時間ほどで作業は完了。残置物の撤去が終わった実家を前に、「寂しい気持ちもあるけど……」と男性が想いを漏らす。
「やっと片付いたなという思いです。あの嫌なモノを全部片付けてもらった。もうこの家のことが気になって気になって……。自分の思い出はそんなにない家だけど、年に何回か泊まりに来て、ちょっとは過ごした家なので。寂しい気持ちもあるけど、今はどちらかというとスッキリした気持ちのほうが強いですね」

臭いものにふたをして、なかったことにすることもできる。しかし、それでは根本的な解決には至らず、自分の心のどこかにずっとトゲが刺さったままの状態で生きることになってしまう。
正面から向き合うことはつらいけれど、結果的にそのほうが楽になることも多そうである。

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