台風で浸水、畳が腐敗し、家中カビまみれ…「空き家になったボロボロの実家」を、50代息子がどうしても“YouTubeに残したかった”ワケ

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2018年9月当時、イーブイには台風の被害に伴う依頼が殺到していた。中でも多かったのが、ベランダに設置された物置きの撤去だったという。

台風によって物置きが破損。しかし、中に入っているモノは不用品がほとんどのため、「物置きごと片付けてほしい」という依頼が相次いだ。中にはこんな緊急の依頼もあった。

「とあるマンションのオーナーさんから『倉庫が梅田のド真ん中に落ちる!』と連絡が入りました。急いで駆けつけると、屋上から今にも下の道路に落ちそうになっている倉庫を消防隊の人たちがロープでくくり付けて固定していました」(二見氏)

総務省消防庁の報告によれば、この台風による住家の全壊は68棟、半壊は833棟。「床上・床下浸水」は707棟にも及ぶ。6年経った今でも当時の台風の被害を受けたまま、ブルーシートで覆われている住家があるそうだ。

実家じまい
1階の畳はすべて腐食しており、男性が1人で庭に運び出したという(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
実家じまい
生前の父が使っていたものがそのまま残されていた書斎(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)

空き家になった実家を放置して「生まれるリスク」

一軒家を解体して更地にすると、固定資産税は一般的に3~4倍程度も上がると言われている。土地の規模や評価額によっては最大で6倍程度になることもある。

そういった理由から、すぐに手放すことが決まっていない場合は放置されることもある。しかし、そこにはあるリスクがつきまとう。二見氏が話す。

「空き巣です。固定資産税の問題もあるので“実家の処分は早くしたほうがいい”と一概には言えないのですが、仮に中を荒らされてしまうと片付けがより大変になってしまうんです」

放置期間が延びれば庭の手入れもより大変になる。ただの雑草だと甘く見ていた草木は知らないうちに「もはや木なのでは」と思うくらい太く立派に育っている。自力で刈る労力を考えると結局は業者に依頼することになり、費用はさらにかさんでいってしまう。

実家じまい
ゴミはほとんどないが、こまごまとしたモノが多く残っている(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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