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「歓楽街のど真ん中」「最安値で2530円」 串カツ田中が"高級トンカツ店"を密かに始動。味はいいけど、上手くいくか疑問に思えたワケ

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  • 谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家
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これには、揚げの技術を全国チェーンで再現することが難しいことなど、さまざま理由はあるだろうが、飽和する飲食業界の中でも「トンカツ」市場は意外にも「狙い目」なのだ。さらに、高級トンカツとなれば、全国に展開している店はほぼないといっていい。

しかも、串カツ田中はもともと「串カツ」という「揚げ」の技術を持つ会社。同社がトンカツに目を付けるのは、必然的な流れだったのだ。

「厚とん」の成否は

では、「厚とん」はうまくいくだろうか。

「味は確かに美味しい」と思う反面、正直なところ、「このままだと厳しいんじゃないの?」と筆者は思った。それを3つの観点から説明したい。

1つ目は立地だ。五反田に店を構えていることは説明した通りだが、店舗があるのは五反田の歓楽街を抜けた先である。すぐ隣はラブホテルがひしめき、裏手はスナックが密集するビルがある。

このような歓楽街を抜けて行く(筆者撮影)
裏手にはスナックがびっしり入るビル(筆者撮影)

「厚とん」はそのターゲットを女性客やインバウンド観光客としているが、この立地で彼らは来るだろうか。男性客は気兼ねなく来れるにしても、女性客は来づらかったり、インバウンド観光客にとってもハードルが高いのではないか。

私が店を訪れたときも12時半だったのに、あまり人がいなかったのは書いた通りである。もちろん1号店だから実験的な出店、というのは百も承知だ(それに、串カツ田中ホールディングスが五反田であるという事情も影響しているだろう)。

しかし、それにしても若干来づらい位置にある。新業態の未来を占う1号店がこの立地なのは、業態の今後に影響するのではないか。

2つ目はメニューだ。メニューの種類は基本的にとんかつ定食に限られており、なおかつ客単価は高い。

「厚とん」のターゲットは「30〜40代の会社員」だというが、これだと「会社員」はあまり来ないのではないか。少なくとも日常的にランチで……というのは難しい。

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