“資格試験沼”にはまった20代、転職を繰り返した30代を経て《49歳で第1子》生まれた男性が《60歳で結婚相談所を開業》した理由

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自身は亡き父から偏った価値観を押し付けられて育った。その経験は、今の子育てにどのように反映されているのだろうか。

若かりし頃の剱持さん。学歴至上主義の父親への反抗心から、バンドに明け暮れた時期も(写真:剱持さん提供)

「一切、親の期待や価値観を押し付けないように気をつけています」

自分の父親と同じ轍は踏まないという意志が強く感じられた。

息子さんは流れで中学受験をすることになったが、息子さんには「落ちる人の方が多いんだから、気楽にやりなさい」とだけ伝えているという。

子育てによって「自分の人生を取り戻している」感覚

もう一つ剱持さんが意識しているのは、結果じゃなく過程を褒めること。剱持さんの父親はことあるごとに、『君はこの基準に達していない』とけなすばかりだった。

剱持さんの息子さんもギターを楽しんでいる(写真:剱持さん提供)

「父親は冗談のつもりだったかもしれないけど、僕はすごく腹立たしかった。だから、長男には絶対そういうことはしたくない」

そうした剱持さんの心がけもあってか、息子さんは「おおらかな性格」に育っているという。

また、息子さんと接していく中で、剱持さん自身も「徐々に自分の人生を取り戻しているような感覚」がある。

子育てをする中で、自身の受けた教育の誤りを認識し、自身の子育てにはそれを引き継がない。もしかしたらその行為が、本来自分が『在りたい』と願う状態へと、立ち戻らせてくれているのかもしれない。

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