自身は亡き父から偏った価値観を押し付けられて育った。その経験は、今の子育てにどのように反映されているのだろうか。

「一切、親の期待や価値観を押し付けないように気をつけています」
自分の父親と同じ轍は踏まないという意志が強く感じられた。
息子さんは流れで中学受験をすることになったが、息子さんには「落ちる人の方が多いんだから、気楽にやりなさい」とだけ伝えているという。
子育てによって「自分の人生を取り戻している」感覚
もう一つ剱持さんが意識しているのは、結果じゃなく過程を褒めること。剱持さんの父親はことあるごとに、『君はこの基準に達していない』とけなすばかりだった。

「父親は冗談のつもりだったかもしれないけど、僕はすごく腹立たしかった。だから、長男には絶対そういうことはしたくない」
そうした剱持さんの心がけもあってか、息子さんは「おおらかな性格」に育っているという。
また、息子さんと接していく中で、剱持さん自身も「徐々に自分の人生を取り戻しているような感覚」がある。
子育てをする中で、自身の受けた教育の誤りを認識し、自身の子育てにはそれを引き継がない。もしかしたらその行為が、本来自分が『在りたい』と願う状態へと、立ち戻らせてくれているのかもしれない。
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