「余計に少子化進むだろ」「こども家庭庁をなくせば財源確保できる」の声も…。来年4月から導入、“独身税”が日本崩壊を加速させる理由

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この間、増大したのは非正規雇用と利益剰余金であり、河野は、日本が「収奪的な社会」に向かいつつあるとの懸念を示している。

にもかかわらず、政府は2014年と2019年に消費増税を行い、ただでさえ低い所得から「収奪」を進めた。要するに、わたしたちは、企業と国家というエージェントから「二重に収奪」されてきたといえる。

現在はなおのことこの状況が悪化の一途をたどっており、物価高騰や円安に伴って収入の上昇が物価の上昇にまるで追い付かず、実質所得の減少による購買力の低下が進んでいる。

もはや結婚どころではなく、今の生活をどのように維持していくのかが目下最大の関心事になっている。

こども家庭庁のちぐはぐな政策

けれども、特にこども家庭庁の取り組みに典型的なように、「マッチングアプリ」の安全性確保や、婚活支援策を効果検証する枠組み構築などを立案したり、性や妊娠に関する正しい知識を身につけて健康管理に生かす「プレコンセプションケア」を普及するため、5万人のサポーターを養成する計画を立ち上げるなど、ちぐはぐな政策を進めている印象がある。

要するに、そもそもの根本原因である経済状況の困難には目もくれず、男女の出会いの機会を効率的に増やすことや、性や妊娠についてポジティブな考え方を広めることなどの意識改革によって、どうやら成婚数の底上げを図ることができ、少子化に歯止めがかかると思っているようなのだ。

こども家庭庁によれば、児童手当の拡充をはじめとする給付の財源の一部にあてられる「子ども・子育て支援金」の2028年度負担額の目安は、年収400万円の会社員・公務員で月額650円、自営業で550円、年収600万円の会社員・公務員で月額1000円、自営業で800円などとなっている。

「子ども・子育て支援金」の目安(月額)
  会社員・公務員 自営業
年収400万円 650円 550円
年収600万円 1000円 800円
年収800万円 1350円 1100円
年収1000万円 1650円 未公表

すでに子育てを終えた人や子どもをつくる予定のない人にとっては、単に取られる一方で負担が増す制度となっているのだ。

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