「20万円の梅酒、90万円のウイスキーが人気」「毎日が戦争」インバウンドの最前線≪免税店≫で働く台湾人女性の“日本での暮らし”の本音

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いまは免税店勤務。コロナ禍のときは自宅待機になるなどたいへんだったが、いまは大忙し(写真:筆者撮影)

もちろん日本人も海外旅行に行ったときにはこの制度を利用できる。現地の空港などで「VAT(消費税の一種)REFUND」なんてカウンターで還付手続きをした人も多いことだろう。

また国際空港で出国手続きを終えたあとの出発ロビーにも免税店がズラリと並んでいるが、ここは「どこの国にも属していない空間」として扱われるため、関税や酒税、たばこ税などがかからずモノを販売できる。

こうした免税店がインバウンド需要の高まりとともに日本でも各地に増えているが、そこではアリスさんのような外国人もたくさん働いている。複数の言葉を操り、日本人スタッフともコミュニケーションしながら外国人の接客ができる人材となると、日本人よりもむしろ「日本に住んでいる外国人」のほうが適職となる。アリスさんの店でも韓国人やイタリア人が働く。なかなかにインターナショナルな職場だが、訪日客がどんどん増えている昨今、やたらに混みあう。

「毎日すごく忙しくて、戦争みたいな感じ」

20万円の梅酒、90万円のウイスキーが大人気

アリスさんはお疲れ気味に言う。とにかく売れるのだという。免税店と言えば酒がすぐに思い浮かぶが、日本のウイスキーがとりわけ大人気なのだとか。

「サントリーの『山崎』は中国人がよく買っていきます。山崎18年は5万5000円だけどいま品切れ。免税店限定の山崎スモーキーバッチは1万8000円で、すごく売れます。あとは『響』も人気ですね」

韓国人は日本酒の「獺祭」がお好みなようで「みんな買っていきます」とのこと。欧米人はジンの「桜尾」、ウイスキーの「戸河内」「宮城峡」といった手ごろな価格帯の商品をお土産にしていく。アリスさんと同じ台湾人には梅酒などフルーティなものが人気。

「梅酒の中には1本20万円もする商品もあるんです。これ、高くない? 誰が買うの? ってほかのスタッフに聞いたら、タイ人のお客さまが2本買っていったことがあるって……」

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