「人生最後のチャンスかもしれない⋯」高卒から学内塾経営者に転身できた「どん底生活」という"最大の武器"
家賃は滞納されており、塾にも借金がある。先生は高田氏ひとりきり。生徒はほとんどいない。
「潰れかけ」と言うが、もう潰れたに等しいものだった。
しかし、もうあの自堕落な生活には戻りたくない。「自分ならなんとかできる」という自信だけはなぜかあった。
「最初は『高卒の塾長がつくった塾!』というのをキャッチコピーにしたチラシをつくって撒いていったんです。ほかにも過激な言葉のチラシをバンバン配りました。そうしたら、私の風貌に親しみ(?)を感じたのか、地元のヤンキーたちが生徒として集まってきたんです」
自身のやんちゃな部分をあえて前面に出すことで、これまでにない塾のカラーを打ち出すことに見事成功したのだ。
リアル版「ヤンキー先生」
ヤンキーたちにも『本当は現状を打破したい、高校には進学したい』という潜在的な思いはある。

高田氏には、自身の経験から、やんちゃしている彼ら彼女らの気持ちが、誰よりもわかる。
彼ら彼女らを更生させて全員高校に入学させるというのが最初の目標となった。
「ヤンキーが多いと、ほかの子ども怖がって来ないと思いますよね。でも意外なんですが、小学生も結構、集まったんです。狭い教室にタバコ臭い中学生と普通の小学生がいるっていう不思議な空間でしたね」
そんな空間をつくり上げたのは、誰よりも高田氏の人間的魅力のなせる業だろう。
大手の塾では決して真似することができない破天荒なやり方で、「赤字塾」を地域で評判の「人気塾」に育て上げた。
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