「最強の対外不介入主義者」のはずが中東で揺れるトランプ大統領、「イラン攻撃の誘惑」があまりに危険すぎる理由

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面白いことに、レストレイナーの右代表と思われていたJ・D・ヴァンス副大統領が、Xに長文を寄稿して、「トランプ大統領は、以前からイランの核保有を認めないと言っていた」などと側面援護に回っている。察するに、自身がMAGA派の抗議を受けているのであろう。

なにより、最強のレストレイナーと見られていたトランプ大統領自身が、今ではかなりイラン攻撃に前のめりになっている。トランプ大統領はこれまで「平和主義者」とは言えないまでも、明確な「反戦主義者」であった。それが突如として、中東への軍事介入を志向しているのは、いささか危なっかしく思われてならない。

過去の外交批判のはずが・・・・・・中東でも「TACO」が賢明

トランプ大統領、第2期政権で初の外遊先としてサウジアラビアを訪問し、5月13日のリヤド演説では過去のアメリカ外交を強烈に非難した。ジョージ・W・ブッシュのような新保守主義と、バラク・オバマのようなリベラル派の介入路線が、ともに中東地域に課題を残したのだと。思えば「イラク戦争」も「アラブの春」も、中東にとってはろくなことはなかった。

トランプ大統領を迎えたサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子などは、「よくぞ言ってくれました」と大喜びだったことだろう。しかしここへ来て、トランプ政権が中東で軍事力を行使して、既存の秩序を大きく壊してしまうかもしれない。筆者も不穏なものを感じるところである。

マーケットには、トランプ大統領に対する「TACO」というあだ名がある。” Trump Always Chickens Out”(トランプはいつも最後はビビる)の頭文字をとっていて、不名誉な物言いではあるけれども、中東でも「TACOする」ほうが結果的にはいいのではないだろうか(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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