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IT技術の進化が実現する
オフィス環境とワークスタイルの革新

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社員が集う場であるオフィスは、企業文化を象徴する場であり、ワークスタイルの変革を目的にオフィス戦略を立てる動きが増えているという。経営戦略として有効なオフィスを実現するために留意すべきポイントは何か。オフィスビル総合研究所代表取締役の今関豊和氏に聞いた。

IT技術により変わるオフィスの概念

企業における固定費のなかで、人件費に次いで大きいのが不動産関連の費用といわれ、オフィス戦略は非常に大きな意味を持っている。それは単にコストという面だけではなく、オフィスには企業文化を象徴している部分があり、働き方にも深くかかわってくるからだ。

「オフィス戦略で最近多く見られるのが、オフィスの移転に合わせてワークスタイルを変革しようとする動きや、ワークスタイルを変革する必要があるからオフィスを変えるといった動きです」。そう解説するのは、不動産関連のリサーチ業務に豊富な実績と経験を持つオフィスビル総合研究所の今関豊和代表だ。

株式会社オフィスビル総合研究所
代表取締役
今関 豊和
(いまぜき・とよかず)/1987年東急建設入社。米国デンバー大学にてMBA取得。99年ジョーンズ ラング ラサール(日本支社)にてリサーチ部門ヘッド。2004年ラサール インベストメント マネジメント(日本支社、米国本社)にてグローバルリサーチ業務を担当。06年米国ジョージア州立大学経営大学院博士課程入学。不動産投資理論等を研究し博士号(Ph.D.)取得。10年三幸エステートチーフアナリストおよびオフィスビル総合研究所常務取締役に就任。13年6月より現職。明海大学不動産学部非常勤講師を兼務。

「またオフィスのロケーションも企業文化を表していますから、分散していた部門を統合して新たな場所に移るというのは、外部から見ても大きなインパクトがあります。オフィス戦略は、そうした外からの目を意識して立案するのも効果があると思います」

さらに今関氏は、大きな潮流としてオフィスにおけるIT技術の進化によって、モバイル環境やペーパーレスが急速に進展し、オフィスの持つ意味合い自体が変化を遂げていると指摘する。「オフィスの移転に合わせ、固定席ではないフリーアドレスを取り入れ、どこでも働けるワークスタイルにする例が多くなっています。そのどこでも働けるというのが、今までは『オフィスビルのなかのどこでも』を意味していたのですが、どんどんオフィスの外に広がり、家でもいいし、移動中の電車内でもいいし、あるいはサテライトオフィスを設けるようなやり方も可能になり、オフィス自体の概念が変わりつつあるのです」。

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