OpenAIの営利組織転換を巡りマイクロソフトとの対立が深刻化、ソフトバンクグループの最大400億ドル投資計画と堺AIデータセンター構想への影響とは
黎明期から一貫してOpenAIの守護者であったように見えたマイクロソフト。しかし両社の関係はすっかり冷え切っているように見える。
OpenAIが事業規模拡大を急ぐ中、マイクロソフトとの関係が“足枷”になりはじめたからだ。さまざまな状況を比較すると、両者の関係は明らかに“協調”から“競合”へと変化しているのは明らかだ。
営利組織への転換を巡る対立
両者の緊張をもっとも高めている原因は、OpenAIが進めている営利部門のパブリック・ベネフィット・コーポレーション(PBC)への組織転換である。PBCは株主価値と社会的目標のバランスを取ることを法的に要求される構造で、デラウェア州法人として設立される予定だ。
昨年12月にOpenAIはこの転換計画を正式に発表していた。営利部門をPBCに転換することで資本調達を容易にし、大きな資本投資が不可欠なAI開発競争で先行利益を維持するために必要不可欠だとOpenAIのサム・アルトマンCEOは考えている。
この転換には筆頭出資者であるマイクロソフトの同意が不可欠だが、現時点で合意は得られていない。このことが後述するOpenAIの資金調達計画を大きく狂わせる可能性があり、ひいてはAI開発競争で後れを取る可能性がある。
OpenAIは“お家騒動”後の組織改変で、営利子会社を分社化したが、この株式のうち49%はマイクロソフトが保有している。合意できていない理由は、PBCへと営利部門を転換したのちに、マイクロソフトがどの程度の株式を保有するかについて結論が出ていないためだ。
マイクロソフトは一部の株式を手放し、株式保有比率を下げる代わりに、現在は2030年までとなっているOpenAIの知財へのアクセス権を延長することを求めている。
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