《開成辞めて1浪で東大》成績最下位で高校上がれず…「バカじゃないと証明したい」一心で東大文3に合格した"元落ちこぼれ"の彼の人生

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「友達もいないし、引きこもりみたいな感じになった」と福地さんはこの期間のことを振り返ります。しかし、この時間でじっくり考えたことが、福地さんの、のちの人生に大きく影響します。

「たまに予備校に行っても全然馴染めず、どこの模試を受けても東大はE判定しか出なかったこともあり、夏から秋にかけて焦りがすごくなってきました。2浪・3浪はしたくないけど、勉強もしたくなくて、なんで自分はここまで勉強したくないんだろう?と真剣に考えたんです。

そうすると、自分は理系に進もうと思っているのにじつは理系科目が嫌いだと気づいたんです。数学の教師だった父親から『お前は(理系に)向いてる』と小さいときからずっと言われてきたので『自分は理系なのかな』と思ってしまったんでしょう。

自問自答しているうちに文系と理系の違いについても考え始めました。10月25日、早朝に風呂に入っているときに、自分は物質や人体、自然現象ではなく、人の心や社会に興味がある人間だと完全に気づいて、『あ〜、自分は自分に嘘をついてたんだ』と思って、人文系を学べる東大の文科3類に志望を変更しました」

「漫画を読んで勉強」文転で成績が急上昇

こうして10月後半から文転し、ずっと日本史の対策をするようになった福地さん。

その際、河合塾でフェローをしていた大学院生に受けた指示も効果的でした。

「すごく孤独だったから、河合塾の大学院生の方に週1回相談に行けるのが心の支えでした。その人に文3を受けたいという意思と、今から受験に間に合うかという相談をしたら、『ひたすら教科書を読むしかない』と言われ、ずっと日本史をやり続けました。歴史の漫画を読んで流れを重視して意識的に勉強していると、すごい勢いでできるようになって、12月の東大模試では日本史の平均点が取れるようになりました」

1980年代当時は他人がしている勉強方法や効果的な参考書なども簡単には手に入らない時代。日本史以外の科目も、エール出版社の『私の東大合格作戦』を何十回も読んで、合格者の使った参考書を把握した上で、自分に合う勉強法や参考書を探していました。

12月の東大模試でもE判定は変わらずだったものの、「鬼神のごとく勉強した」福地さんは、合格にわずかな望みを見出していました。

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