「女性たちがバチバチしていない」「“キス”は不同意ではないことを確認」様変わりした《バチェラー》から“婚活バトルが消えた”ワケ

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そもそも「婚活」という言葉は、2008年と2009年に新語・流行語大賞に2年連続でノミネートされるなど、大きく広まった。2017年の番組開始当時は、「婚活」のために「サバイバルバトル」をするという構造だけである程度の興味を惹きつけられたかもしれない。

だが、時代の価値観は徐々に変化していく。人が蹴落としあう様をわざわざ見たくないという人も増えているかもしれないし、バトルするくらいならそもそも婚活などしなくてもいいと考える人もいるだろう。

番組自体も8年も経てば、参加者の世代も変わってくる。初代の久保裕丈は1981年生まれ、今回の久次米一輝は1994年生まれと、13歳の差が開いており、世代交代したと言っていいだろう。

また、初期はバチェラーに選ばれるのは起業家男性が多く、女性参加者の中にはモデルなどの芸能経験者も多く含まれていた(ちなみにシーズン1にはゆきぽよも出演している)。

だが、今回のシーズン6は、バチェラーが医師かつ御曹司でガツガツしておらず、さらに女性たちもIT企業のエンジニアをはじめ、和菓子屋の店長やかき氷店の店員など市井で働く女性が多く、芸能だけで生きている人は皆無。女性陣もガツガツせず、柔和な男女同士が恋愛をしているという印象だ。

バチェラー
バチェラーの久次米氏は医師としての姿もSNSに投稿していた(画像:本人の公式Instagramより)

マンネリとはほど遠い

こうした8年の間の変化を視聴者も受け入れてきたのである。いや、視聴者や時代の変化に合わせて、番組側が出演者や見せ方を変えてきたとも言えるかもしれない。

バチェラーが始まった頃には、男性が女性に囲まれながら相手を選ぶという男性優位にも見える仕組みに拒否感を示す人も多かったはずだ。だが、2020年から始まった男女逆転版のバチェロレッテも人気を博して、定着した。

さらに、今回は、女性たちに囲まれるという非日常に浮足立たずに、1対1で真摯に相手と向き合うバチェラーが登場。そのおかげで、当初拒否感を示していた人たちにも見やすい構造になった。

『バチェラー』シーズン6は、この数年をかけての“進化”が完成したシーズンになったと言えるだろう。それはマンネリとはほど遠いものなのである。

霜田 明寛 ライター/「チェリー」編集長

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しもだ あきひろ / Akihiro Shimoda

1985年・東京都生まれ。早稲田大学商学部在学中に執筆活動をはじめ、2009年発売の『テレビ局就活の極意 パンチラ見せれば通るわよっ!?』を皮切りに、3冊の就活・キャリア関連の本を執筆。企業講演・大学での就活生向けセミナー等にも多く登壇し、自身の運営する就活セミナーからも累計100名以上のアナウンサーを輩出している。また、編集長を務める『文化系WEBマガジン・チェリー』や雑誌などで記事を執筆。映画監督や俳優を多く取材し、トークイベントの司会なども担当する。自身の観点でドラマ・映画等を紹介するVoicy『シモダフルデイズ』は累計200万回再生を越える人気コンテンツに。ジャニーズタレントの仕事術をまとめた4作目の著書『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)は3万部を突破している。
Xアカウント:@akismd

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