「焙煎から2~5日後のベスト状態で提供」東京激戦区・蔵前で納得の人気≪街のカフェ≫数々のこだわり

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⑤必要以上に頑張りすぎない

最後に高橋氏に「10年続いた秘訣」を聞くと、少し考えてこんな答えが返ってきた。

「頑張りすぎないのも大切に思います。個人経営のオーナーが店を閉じる理由として“体調を崩す”も多いからです。適度に力を抜いてやってきました。

 今はスタッフも増えたので自家製フードやスイーツを揃えていますが、オープン時はワンオペ営業で、コーヒーと焼き菓子(仕入れ商品)しかありませんでした」

コフィノワは木曜日が定休日、営業終了後の高橋氏は仕事を持ち込まないという。

コフィノワ
平日でも開店を待つ客が店の前に並ぶことがある(筆者撮影)

売上至上主義にしない

現在は20年以上続く、茨城県の人気カフェ店主に取材した際、こんな失敗経験を聞いた。

「店の開業費用で借入金があり、早く返済しようと、開業時はコーヒー以外にアルコールも提供して深夜1時まで営業しました(現在は18時で営業終了)。酒類の勉強も必要でつまみメニューの開発にも追われ、肝心のコーヒーが追究できない余裕のない日々でした。そこでメニューを絞り込み、コーヒー中心の商品構成に変えたのです」

高橋氏の話す「頑張りすぎない」には“無理に売り上げを追わない”の意味も。

「『アド街ック天国』(テレビ東京系)などに取り上げられて以降、フードデリバリーの会社からはよくお声がけがあります。でも自分の目が届く範囲で提供したいのです」

複数の店を展開しないのも「オーナーが常駐していないと店が死ぬ」という流儀だ。これからも日々の営業を軸にお客と向き合うのだろう。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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