「誰かを傷つけない形で"遊び倒して"ほしい」あまりに有名になりすぎた《チー牛》イラストの男性"現在の姿"

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自分の日常の一コマを描いたといういびりょさん。2008年はインターネットが普及し、mixiなどのSNSが流行し、YouTubeやニコニコ動画がサービスを本格化させていた。個人ブログも人気で、いびりょさんも自身のブログに毎日1枚ずつイラストを投稿していたという。

「チー牛」のイラストもそのうちの一枚だった。

「当時、見ていたのは身近な人たちで、10人くらいだったと思います」

ところがその10年後、イラストは思わぬところで広がっていく。

2018年ごろ、巨大ネット掲示板「5ちゃんねる」で、しばしばこのイラストが貼られるようになっていた。「陰キャ」のイメージとして多用され、2019年12月のコミケには、イラストに似せた「チーズ牛丼の男性」のコスプレまで登場した。

2020年の春にはいびりょさんのSNSアカウントのフォロワーが増えたという。イラストの拡散をどう感じていたのだろうか。

「びっくりしましたが、言われてみれば、掲示板に書いてある通り、たしかに垢抜けてないなあと。そのときはそんなふうに流していました」

自画像
左が2008年の自画像、右は最近の自画像(いびりょさん提供)

伝説の漫画のアニメ化企画に参加

イラストの拡散はやがて、いびりょさんの生活に影響するようになる。

「ネットつながりで友だちになったアニメ監督が、ある作品をアニメ化することになり、『いびりょさんの力を貸してください』と声をかけてくれまして、プロジェクトに参加することになりました」

アニメ作品の原作は、同性愛をテーマにした漫画『くそみそテクニック』で、登場人物の「やらないか」というセリフはネットミームとなっている。そのアニメ作品の最後に流れるエンディングカードを描いてほしいと依頼されたのだ。

作品は2024年に公開され、いびりょさんのイラストとともに大きな話題になった。

『新・やらないか』
アニメ作品『新・やらないか』(伊藤魔鬼監督)のエンディングカード(いびりょさん提供)
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