≪玉木雄一郎が斬る!≫年金制度改革の欺瞞と、納税者の負担が増す「毒入りあんこ」の正体(後編)
塩田:もう一つの焦点の選択的夫婦別姓の問題については、基本的にどんな姿勢ですか。
玉木:これまでいろいろな人の話を聞いてきましたけど、結婚前の姓をそのまま使いたいというニーズは明確にあります。不便を感じている方の不便を直していくことが一番、大事です。家族も多様な形態があり、多様な選択ができるようにする。現在のように夫婦どちらかの姓に統一することを選ぶ人は選んだらいい。いろいろな事情で、別の姓でという人はそれを選べる仕組みを作っていくことが大事です。
一方で、家族の一体感が崩れるといった点を心配する方がいる。家族の一体性とか、家族のアイデンティティを証明する仕組みとして、戸籍制度は残す形にすることが、バランスが取れたやり方かなと思います。
われわれとしては、親族関係を公に証明する現行の家族戸籍の制度は残す。戸籍の筆頭者をきちんと定めて、原則として、家族というチームの長は戸籍の筆頭者で、そのチームのメンバーの姓は、基本的にはチーム長と同じにする。結婚前の姓を使いたい人は、何らかの形で戸籍にそれを付記して、それに法的効力を持たせる。そういう内容の法案を、われわれは国会に提出しています。
この問題は各党で話し合ってまとめることができるかどうかです。キーポイントは公明党です。公明党も選択的夫婦別姓の容認には賛成だけど、今、参院選が近いので、かなり自民党にも気遣っている感じですね。
不信任案提出なら可決の可能性
塩田:通常国会の会期末は6月22日ですが、日曜なので、事実上の閉幕は6月20日となりそうです。その後に参院選が控えている今年は、会期延長はないと見られていますが、国会の終盤で、野党側が内閣不信任決議案を出すのかどうか。衆議院規則によれば、不信任案は提出者と50人以上の賛成者が必要で、立憲民主党以外の野党各党は、国民民主党も含め、単独では提出の権利がありませんが。
玉木:立憲民主党がどういう判断をするか。ただ、今までと違って、通らないことが分かっていて「年中行事」で出していた過去のケースとは違って、可決の可能性が高い。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら