「忙しくて部屋を片づけられない!」モヤモヤ解消に足りないものは「時間」じゃない。「わかっていてもできない」“あるある”を解決する方法
「意思決定」というと、なにか特別に大きなことのように感じられるかもしれませんが、日常の中には小さな決断が山ほどあります。
たとえば漫画で紹介した主人公・舞ちゃんは、部屋の片づけを常に先延ばしにしています。「片づけと意思決定、関係があるの?」と思うかもしれませんが、もちろんあります(外部配信先では漫画や画像が閲覧できないことがあります。その際は東洋経済オンラインのサイトでご覧ください)。
いつ・どこから片づけ始めるのか、ひとつひとつのモノはいるか・いらないか、いらないものは捨てるか・売るか・誰かにあげるのか。残すものは、どこにどうしまうのか……。部屋が散らかっていればいるほど、意思決定する項目も回数も増えていきます。
自分の中に「基準」をつくって取捨選択していく方法
2002年にノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者のダニエル・カーネマンは、人間の判断には「ヒューリスティック(即断即決):速い思考システム」と、「システマティック(熟考):遅い思考システム」の2種類があり、この2つを無意識に使い分けながら意思決定しているといいます。
たとえば、いつもの慣れた通勤路ならサーッと移動できますが、初めて訪れる場所だと何度もナビで確かめながら慎重に進むでしょう。前者が「速い思考」、後者が「遅い思考」です。
私たちは日常の多くの場面で、「速い思考」を使って暮らしています。朝起きてやること、学校や職場までの移動方法、カフェで注文するコーヒーのサイズ、電話に出たときの最初の挨拶……。いちいち熟考せず動くほうが効率的ですし、多くの場合、それでほとんど問題はありません。
今回のケースも「速い思考」で決めてしまいたくなりますが、片づけが苦手な人の場合は危険です。瞬時に判断するとほぼ確実に「いる」「残す」「捨てられない」になってしまうから、結局、部屋は片づきません。だからこそ、『もじせか』が必要なのです。
『もじせか』とは、「問題の明確化・情報収集・選択肢の作成・価値判断」という4つのステップから頭文字をとったもの。もともと心理学の分野でよく使われる意思決定の流れを整理して、私なりに4つのステップに再構築したものです。
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