安全なルーターやネットワークカメラが一目でわかる?IoT製品のセキュリティレベルを「★の数」で評価、新ラベリング制度「JC-STAR」開始の訳

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利用者は製品に貼られているJC-STARラベルのQRコードを読み取ると、製品の情報ページにアクセスできる。問い合わせ先やサポート期間のほか、ラベルが現在も有効かどうかなどの最新情報も把握できるので、利用者はセキュリティ確保のために製品を買い換えるタイミングを検討しやすい。

JC-STAR星1ラベル
JC-STARの★1ラベル。QRコードを読み取ると製品ページにアクセスできる(写真:IPA)

JC-STARでは現在、Wi-Fiルーターなどの通信機器とネットワークカメラを対象とした★3基準の策定が進められており、早ければ2026年夏頃に★3ラベルを取得した製品が公開される。

★2については、製品分野ごとの各業界団体からの要望を受けて基準を策定する方針で、「現在、スマートホーム関連機器の議論が進んでいる」(神田氏)という。並行して、シンガポール、英国、アメリカ、EUの各国担当機関との間で相互承認に向けた交渉も行っている。

「政府機関では、将来的にはラベル取得済みIoT製品の調達を必須化することも視野に、『政府機関等のサイバーセキュリティ対策のための統一基準』およびガイドラインで方向性を明記しました。重要インフラや地方自治体にもラベル付与製品を選定・調達することを求めていくほか、賛同団体や流通業界とも連携して一般消費者や企業への認知拡大を図っていく予定です」

運用が始まったばかりの制度だが、IoT機器のセキュリティが見えにくい現状において、利用者が安心して製品を選択する際の「道しるべ」となる可能性を有しており、企業も自社が求めるセキュリティ水準に合った製品を選びやすくなるはずだ。制度の今後の拡充を期待したい。

東洋経済Tech×サイバーセキュリティでは、サイバー攻撃、セキュリティーの最新動向、事業継続を可能にするために必要な情報をお届けしています。
長谷川 敦 ライター

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はせがわ あつし / Atsushi Hasegawa

1967年広島県生まれ。主にビジネス、教育、歴史などの分野の記事を執筆

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