「ナプキンよりいいかも?」5000円でも人気『吸水ショーツ』は”生理用ナプキン”に取って代わるのか?≪ナプキン最大手≫も「あえて参入」の理由

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ユニ・チャームはこれまでも、成熟しているように見える生理用品市場でさまざまな新製品を出し風穴を開けてきた。

「ソフィ シンクロフィット」(写真:著者撮影)

たとえば、SNSで広まって増産するほどにヒットしたのが体に挟むタイプの「ソフィ シンクロフィット」。手のひらサイズの葉っぱのような形状で、約2時間分の吸収力がある。経血量が多い日にナプキンと重ね付けして使う。安心感がある、サッと替えられるなどのメリットがあるが、口コミで広まったのが、お風呂上がりでの使用だそうだ。

確かに、下着をつけるまでの間に、ポタポタと経血が流れてしまうことがある。こんなとき、パッと挟んでおく。子供とお風呂から上がったとき、まず子供を拭いてあげられるので、母親から重宝がられている。トイレに流せるため、最近SNSで話題となった、「友人宅で使用済み生理用品をどう処理するか」という悩みへの対応策にもなっている。

そのほか、剃毛の習慣がある中東用に“オリーブオイルの保湿機能や抗菌機能”を加えたナプキンを発売した。日本でもVIOケアニーズが高まりつつあるため、これも将来的に、逆輸入されるのかもしれない。

社会の「生理観」もアップデート

ユニ・チャームは生理にまつわる社会の空気感を変える取り組みにも積極的だ。「#NoBagForMe」プロジェクト、企業向けの「ソフィ みんなの生理研修」、TikTokで話題となった「ソフィ さらけだ荘」など、発信の場を広げてきた。

以前に比べ、生理についてオープンに語られる場面は増えており、こうした流れが新たな製品普及を後押ししている。また、生理の“日常化”は女性ひいては企業、社会の生産性向上にも直結するテーマでもある。

生理用品と「生理観」の進化によって社会も進化していくーー。生理用品の最前線を調べてみたら、そんな構図が見えてきた。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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