東雲の湾岸タワマン繁栄で「キャベツも買えない」団地の旧住人たちが発生したワケ 「フード・デザート現象」起きる街で見えた30年後の光景

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フード・デザート(食の砂漠)という言い方をするのですが、いわゆる買い物弱者の健康問題は、地方だけではなく、大都市圏内でも起こり得ることなのです」(田中教授)

世帯数と人口

タワマンも、いつかは今の団地のようになる…?

辰巳と東雲の人口推移を見ると、東雲にタワマンが立ち始める以前は辰巳のほうが多かった。

2000年の辰巳地域の人口は1万1299人で、東雲が6887人。東雲地区のタワマンの走りと言われる「東雲キャナルコートCODAN」が竣工した2005年では辰巳が1万965人で、東雲が9918人とまだ辰巳のほうが人口が多い。ところが翌年には両者の人口が逆転する。

タワマンだけじゃない街
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2016年をピークに辰巳地区の人口は減り続けている。団地では空室が目立ち、建て替え計画も進んでいる。

20年後、30年後に、東雲地区のタワマン群で同じことが起こらないとは限らない。街の形がどんなふうに変わっていくのか、先の先を見越すのは、とても難しい。

【もっと読む】「タワマン住みの"新住民"は町内会に入らない。でも、祭りには来る」…。タワマンの聖地・武蔵小杉、激変した街に"旧住民たち"が語ること では、タワマンによって激変した街・武蔵小杉を、街に詳しいライターのライター末並俊司さんが探訪。地元住民への取材を通じて、タワマンによって生じた変化についてリポートしている。
末並 俊司 ライター

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すえなみ・しゅんじ / Shunji Suenami

福岡県生まれ。93年日本大学芸術学部を卒業後、テレビ番組制作会社に所属。09年からライターとして活動開始。両親の自宅介護をキッカケに介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)修了。現在、『週刊ポスト』を中心として取材・執筆を行っている。

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