ミスタープロ野球・長嶋茂雄さんと二刀流・大谷翔平選手の「知られざる共通点」……国民的スター2人がやらかした“珍しいプレー”とは?
よく、ホームラン性の当たりが、ドーム球場の天井に挟まって二塁打になってしまうとか、そういうことはありますが、「ホームランを打ったのにアウトになる」というのは、なかなかないプレーです。
ではまず、長嶋さんの、かの有名な「幻のホームラン」について詳細をお伝えしましょう。
ホームランならば前人未到の大記録を達成できていた!
長嶋さんが幻のホームランを放ったのは、1958年のこと。
……そうです、立教大学から“超大物ルーキー”として巨人に入団して1年目のことでした。
このルーキーイヤー。早くも「4番サード」で大活躍していたのですから、本当に並外れた選手だったというのがよくわかります。
さて、問題のホームランが飛び出したのは、シーズンも終盤の9月19日の対広島戦でのこと。
1対1の同点で迎えた5回裏。ツーアウトから、長嶋さんは左中間スタンドにライナー性の第28号ホームランを叩き込みました!
意気揚々と、ダイヤモンドを一周する長嶋さん。
ところがです。長嶋さんが、ベンチに戻ろうとした、そのときでした。
広島サイドから球審にアピールがあり、主審から新しいボールがピッチャーにわたり、そのボールが一塁に送られると、主審がアウトを宣告するではありませんか。
長嶋さん、なんと、一塁ベースを踏み忘れていたのです!
どうやら、打球が低かったためにフェンスに当たるのではないかと思った長嶋さんは、全力疾走で一塁を回ってしまい、そのときにベースを踏まずに二塁へ向かってしまったようで……。
こうして、28号ホームランは「幻」になってしまいました。記録はなんと、ただのピッチャーゴロに。
なお、プロ入り1年目の長嶋さんの成績は、打率3割5厘、ホームラン29本、打点92打点。いきなり、ホームラン王と打点王を獲得し、打率だけ惜しくも2位と、3冠王に限りなく近い、とんでもない成績でした。
そして、盗塁は37個! あら? ということは……。
もし「幻のホームラン」が「幻」でなければ、「入団1年目からトリプルスリー(1シーズンで打率3割以上・ホームラン30本以上・盗塁30以上)」という前人未到の記録を打ち立てていたところだったのです!
なんともはや、もったいない(まあ、当時の日本のプロ野球では、「トリプルスリー」などという、おしゃれな概念はありませんでしたが……)。
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