J1昇格は悲願であり通過点、ジャパネット髙田社長が明かすV・ファーレン長崎《売上高40億円》の勝算とACL制覇の野望

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「ピースタが1年間フル稼働し、J1に上がれれば、クラブの年間売上高は30億円になると見込んでいます。それからJ1に定着して、35億、40億円と規模を拡大させなければいけない。いずれはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のタイトルも取りたいと思っているので、その領域を目指すのであれば、40億円は確実に超える必要があります」

髙田氏は中長期的なビジョンをこのように口にする。実際、2024年のJ1上位クラブの売上高を見ると、浦和レッズが100億円超、川崎フロンターレ、ヴィッセル神戸、サンフレッチェ広島の3クラブが80億円台。ACLを視野に入れるなら、2024年水準の運営規模を3倍程度は目指さなければならないというのが実情だ。

J1昇格の先にACL制覇という野望を描くV・ファーレン。チャレンジャー精神で挑む(写真:筆者撮影)

「V・ファーレンを持続可能なクラブに」

「ビジネスで外国人と話をすると、鹿島アントラーズや川崎フロンターレは名前を知っていても、V・ファーレンのことは知らないと言われることがまだまだ多い。いずれACLを視野に入れるようなクラブになれば、スポンサーを含めて新たな引き出しも増えてくるので、確かに50億〜60億円の売上高を念頭に置かないといけないとは思います。

ただ、現状で見えている範囲だと、やはり40億円が1つのターゲット。それもジャパネットのスポンサー料に依存しない収支構造にしていく必要があります。現状では10億円程度のバックアップはあるので、その数字を減らし、持続可能なクラブにしていくことがわれわれの見据える姿です」

長崎スタジアムシティという世界に誇れる複合施設の誕生という追い風を力にしつつ、V・ファーレンはここから一気にギアを上げられるか。昨季もシーズン終盤に圧倒的な強さを見せつけたが、今季は夏から浮上していければ、自動昇格もまだまだ不可能ではない。チームの動向に加えて、髙田氏の経営手腕にも期待が高まる。

元川 悦子 サッカージャーナリスト

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もとかわ えつこ / Etsuko Motokawa

1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、1994年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。著書に『U-22』(小学館)、『初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅』『「いじらない」育て方 親とコーチが語る遠藤保仁』(ともにNHK出版)、『黄金世代』(スキージャーナル)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)ほか。

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