J1昇格は悲願であり通過点、ジャパネット髙田社長が明かすV・ファーレン長崎《売上高40億円》の勝算とACL制覇の野望

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「サッカークラブに7〜8年関わってきて、最初は『専門性が高いな』と思って見ていたんですが、徐々に会社経営と一緒だと感じるようになってきました。

自分は10年前にジャパネットを引き継いだんですが、父が目指すものと私が目指すものではアプローチが違う。その道筋や評価基準を会社で決めなければいけないですし、私がみんなに発信して、一致させないといけない。

その作業はサッカーの現場も同じ。監督や強化部が目指すべきサッカーを明確に伝えて、そのうえで選手を評価する。その軸がブレてしまうと、選手は迷ってしまう。好き嫌いで判断したらダメだし、日々のコミュニケーションですり合わせていくことがすごく大切。だからこそ、私はV・ファーレンの会長という立場から監督やコーチ、選手に声をかけているんです」

V・ファーレンの会長という要職に就いている分、周りは気を遣うこともあるかもしれないが、そうならないように配慮しながら、彼らの意見と本音で向き合っていく。それが髙田氏らしいやり方なのだろう。

サポーターの声援に応える父・髙田明氏(写真:時事、2018年撮影)

ACL制覇に向けて運営規模の拡大は必須条件

「V・ファーレンはクラブを取り巻く空気がすごく温かいんです。サポーターは負けたときもブーイングせずに見守ってくれるので、すごくありがたいですね。日本でも『本場・イングランドみたいにブーイングすべきだ』『いや、応援すべきだ』と意見が分かれることがありますが、私は日本人らしく温かくサポートしたほうがチームは強くなると感じています。

同じ長崎出身の森保さんもそういう感覚を持っていると思います。選手やファン、関係者への接し方がいつも温かくて、リスペクトも欠かさない。そういうスタンスだからこそ、結果が出ている。森保さんとは彼がサンフレッチェ広島の監督を務めていた頃からのお付き合いですが、つねに選手のことを考えて行動する方だと感じています」

髙田氏について、ジャパネットのスタッフは「多様な考え方を持つ人も受け入れ、対話をしながら物事を運んでいくところは、森保監督と通ずるところがあると感じます」と太鼓判を押す。部下の言葉を耳にして、髙田氏も心からうれしそうな笑顔を見せていたが、そういう経営者の下、みんなが一丸となって前進していけば、V・ファーレンのJ1昇格もそう遠くないうちに実現するはずだ。

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