「自分たちの地域に飛び火するのか?」、多くの日本人が知らない《ロス暴動》に全米が恐怖する疑心暗鬼の真実

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戦場での取材経験があるフォトグラファー、マーク・エドワード・ハリス氏は8日、オレンジの炎に包まれる乗用車の写真をインスタグラムにアップした。車体には「ICE、クソでもくらえ」とスプレーで書いてある。

戦場での取材経験があるフォトグラファーは現地の状況を投稿(写真:マーク・エドワード・ハリス氏のInstagramより)

「警官が、非武装の市民にゴム弾やスタングレネードを撃ち込んでいた。燃える車から白い煙が上がり、通りに立ち込めていた。ロサンゼルスのど真ん中でとても危険で、最悪の状況が展開している」と、ハリス氏。

ヘグセス国防長官がロサンゼルスに海兵隊を送り込むことを提案したのに対し、大きな懸念を示す。「海兵隊は戦争のプロであって、群衆をコントロールする訓練は受けていない」(ハリス氏)からだ。

また、本物の軍隊が国内で鎮圧のために使われる法的根拠となるのは「謀反」とされるが、今回のデモはそれにはまったく値しない。「ロサンゼルスの混乱は、内戦の前触れなのか」という質問に対し、ハリス氏はこう答えた。「まだそれはわからない。ただ、今回の衝突は、多くの問題の種を含んでいる」。

ゴム弾も市民に対して発射されている。オーストラリアの放送局チャンネル9のローレン・トマシ記者は8日、生中継中に脚を撃たれた。

「(警察が)ロサンゼルスの中心部で市民にゴム弾を発射しています!」とリポートした途端、左足を撃たれ、彼女は飛び上がった。誰かが「記者を撃ったな! 大丈夫か」と言っている様子がビデオに収まっている。

発端はホームセンターでの見間違い?

英BBCによると、そもそも抗議デモは6日、平和的に始まったという。人々はまず、いつものようにロサンゼルスの幹線道路101号線を封鎖した。警察が排除に乗り出し、封鎖は終わった。

以前のデモでは、封鎖を始めたデモ隊に対して警察側が理解を示したのか、封鎖した人垣を見守る姿が見られたほどだ。しかし今回、事態は急速に悪化した。

BBCによると、8日に現場周辺の地域で「ホーム・デポで日雇い労働者が摘発・逮捕された」という噂が出回ったという。

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