有料会員限定
〈宇宙ベンチャーの試練〉ispaceが月面着陸「2度目の失敗」で株主が直面する「避けたいシナリオ」
ビジネスとしての基盤をまだ確立していないispaceの事業は、自転車操業の形になっている。先に控えるミッションのペイロードの契約を結ぶと、多くのキャッシュを「前受金」として受領。そのお金をミッションの開発費用などに充てている。
かさんでいく人件費なども含めてペイロード収入だけでは足りない部分は、上場での調達資金、増資や借り入れ、さらには政府からの補助金収入で、これまで賄ってきた。
つまり、ミッションの資金は、いかに先行してペイロードの契約を獲得して前払いでキャッシュを得られるかが重要なポイントになる。不足すると他の手段で資金調達の道を探らざるを得なくなるからだ。
ペイロードの契約の獲得には、成功への「期待値」が影響する。そこに影を落とすのが、「3」が従来予定の2026年から2027年へと延期された中で「2」で失敗したという事実だ。
月面着陸の成功は、ベストシナリオでも2027年の春以降になる見通しとなった。少なくとも今から1年半以上は、成功実績がないまま、ペイロード契約の積み上げを目指さなければならないことになる。
だが、そこには2つの大きな懸念が生じうる。
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら