イーハンは空飛ぶクルマの商用運航実現を目指し、航空安全当局の規制のハードルを着実にクリアしてきた。
2025年3月下旬には、中国の民間航空行政を所管する中国民用航空局(民航局)が「億航通用航空」と「合翼航空」の2社に対して、(パイロットが搭乗しない)無人操縦のeVTOLによる商業目的の航空運送事業認可(AOC)を初めて交付した。

億航通用航空はイーハンの100%子会社、合翼航空は億航通用航空と安徽省合肥市の政府系投資会社の合弁会社であり、いずれもEH216-Sを使った商用運航サービスを計画している。
商用運航の拡大はまだ先
AOCの交付は、空飛ぶクルマの商用運航開始に民航局がゴーサインを出したことを意味する。とはいえ、商用運航が(事業採算を見込める)一定のスケールに達するには、まだまだ時間がかかりそうだ。
民航局の開示情報によれば、億航通用航空と合翼航空に交付されたAOCは両社が保有する合計6機のEH216-Sを対象に、同一地点から離着陸する飛行に限って許可している。

言い換えれば、ある地点から別の地点に乗客を輸送する運航形態は認められていない。そのため、当初のサービスは観光目的の遊覧飛行に限られる見通しだ。
イーハンは2024年に合計216機のeVTOLを顧客に納入した。だが、現時点でAOCを取得できたのは上述の6機だけであり、ほとんどの機体がテスト飛行の段階にとどまっている。
(財新記者:方祖望)
※原文の配信は5月27日
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