「地震危険度は都内No.1」「強面の不動産屋が集金で"生存確認"」…スカイツリーのふもとにある「人情が厚すぎる街」が持つ"謎の魅力"

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「不動産屋ねぇ、ここらじゃひとつしか思い浮かばないねぇ」

そう言いかけた奥さんが腰を浮かして、「ほらあの人だよ」と店の外を指さした。本当にたまたまだけど、アブロードから歩いて数分の場所にある「三彦不動産管理㈱(京島2-25-11)」の社長が店の前を通りかかったのだ。

「あたしが声をかけたげるよ」と奥さんはドアを開け、社長を呼び止めた。

「ねぇ、ちょっと時間ある?」

社長は振り返って、

「今集金中なんだよ。後でお宅にも行くからさ」

「集金なら来なくていいよ」

「いやいや、しっかり集金させてもらうよ」

こんな気安いやり取りがあって、めでたく取材させてもらえることになった。なるほど人情の街である。

誰も名前が読めない不動産屋

三彦不動産管理㈱、社長の三品晴彦さんは少し強面(こわもて)だけど、とても気さくな人だ。アブロードで駐車場料金を集金したあと、商店街を歩きながら話を聞いた。

「集金なんて、いまどきやる不動産屋はあんまりいないんだよ。でもさ、こうやって街を歩いて集金してまわることで地域の情報が集まるんだ。

もちろんすべてを集金してるわけじゃないよ。でも昔からのお客さんはだいたい集金だね。お年寄りも多い街だから、集金のついでに様子を見てまわる。生存確認だよね(笑)」

三品晴彦社長
三彦不動産管理㈱ 三品晴彦社長。少し強面だけど、とても気さくな人だ(筆者撮影)
三彦不動産管理
三彦不動産管理㈱(筆者撮影)
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